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じゅて~む

じゅて~む エッセイ編 第86夜 お盆スペシャル

2021.08.15 01:31












【あらすじ】



N県新潟市やN県長野市でコント活動をする集団の、コント台本を担当している江尻晴子が、架空の男性・達太としてエッセイ連載にチャレンジ。



そして、達太の外見は、40歳にして高木ブー氏にそっくりであった・・・。



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これは実話なのだが。



今日、ゴッホの名画「ひまわり」の方の向日葵が好きだという女性に出会った。



俺は、あの画はゴッホの弟子か何かが、あっちの向日葵を間違って準備し、優しいゴッホはいやいやあっちの向日葵を描いたのだとばかり思っていた。



だからして、あの画にはゴッホと弟子の思いやりとすれ違いなどが、自ずと宿り、深みを増していると解釈していたのだ。





ところが。



あっちの向日葵が好きというではないか。女は。あっちの向日葵の需要があったとは。確かに、タンポポより派手だ・・・!





話が逸れたね、



これはエッセイ。



本日起こった出来事なんて綴って悪かったね。



エッセイは、もっと獰猛でなければ。



子供にもわかりやすく、食欲を刺激する、それがエッセイ。





今更だが自己紹介を。



俺は達太。40男。働き盛りだ。





だが。



俺はダイエットのため、イタリアに滞在中だ。



仕事はリモートで?



いや、やってない。



仕事は帰ったらやる。




強いていえば、イタリア女性をエスコートしたりしている。



エスコートの内容は、主にドアの開閉。



例えば俺が店を出るとき。



女が店に入ろうとしている。



そうしたら俺はドアを押さえてやる。





「ありがとう。」





「当り前さ。イタリア紳士だ。



 俺は達太。東洋人。



 今からこの店で食事をするんだよね。行ってらっしゃい。楽しんで。」





「俺?



 俺はこれから2軒目さ。



 ピザ3枚しか食べていないからね。



 今ダイエット中なんだ。」





「ドルチェ?



 いや。知らないな。



 それって肉料理かい。」





「まさか、君の元カレの名前?



 だとしたら、ますます知らないな。世間は狭いっていうけれど、ね。」





ドアの開閉というエスコートをしながら、ツーリストならではの軽い会話を交わす。





女は言う。





「この店はね、ドルチェがイケるのよ。次はピザ2枚にして、ドルチェを食べてみて。じゃあね、いい夜を。」





ドルチェ。



イケる、と女は言ったな、



つまり。大盛であり、揚げ物であるということか。



ヒントとしては十分だ。





俺は、ドルチェを食べるため、再入店。





「ドルチェ、特盛で頼む。



 時間は気にしないよ。



 しっかり揚げてくれ。



 ライスは付く?



 ビーフとポークを選べるなら、もちろん豚で頼む。」





俺にドルチェを教えてくれた女と目が合う。



俺はウインクの代わりに、両目をぎゅっと瞑る。



ダブルウインクだ。



感謝の気持ちを込めたのだ。





女性の心が読める。



再入店って、アリなの?



あたしがドルチェがイケるって挨拶代わりに言ったから??



責任感じるー!!





女性の心は読めるが、あいにく俺は女性の脳に直接語りかけるようなサイコな芸は持ち合わせていない。



だが、語りかけてみる。



大丈夫だ。イタリアンレディーよ。



君がイケると言うならば、大盛の揚げ物。最高じゃないか。



責任を感じる必要はない。



誇りに思うといい。





10分後に俺はボーノボーノ連発しながら、ドルチェをライスと、かっ込むだろう。



まあ、その姿を見て安心したまえってもんだ。





・・・・・・。



ボーノ。





ボーノ。



ボーン。





美味しいざますわね。



おボーノざます。





おボーノ。



おボーン。



おボーンざます。





まずい。ダイエットに集中するあまり、お盆ということを忘れていた。





「シェフ!



 すまないが大盛ドルチェ、キャンセル!チップは弾む!」





なぜかチップを弾み、俺は急いで空港へ。





男性の性か、ちゃっかりとドルチェを教えてくれた彼女に





「日本へ来いよ。



 こんなもんじゃないぜ。



 牛丼を食わせてやる。」





と、脳みそ単位で語り掛け、俺はイタリアを経つ。





墓参りの準備は、心の中ではОKだ。





宮村のおばあ様、じゅて~む。