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じゅて~む

じゅてむりん② 第64夜

2021.02.08 03:24












【あらすじ】



N県新潟市やN県長野市でコント活動をする集団の、コント台本を担当している江尻晴子が、架空の男性・達太としてエッセイ連載にチャレンジ。



タイトルの「じゅて~む」は愛しているという意味だが、架空の男性・達太が主人公の小説「じゅて~む」からの引用でもある。



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俺は達太。



日本人だ。39歳だ。



高木ブーに似ている。



エッセイストだ。



「じゅて~む」と最後に囁いて〆るエッセイを、土日に発表している。





だが。



唐突に「じゅてむりん」で〆たくなってしまった。





じゅてむりん、で〆るには、やはり映画グレムリンに寄せていく必要がある。





だから俺は、クリスマスイヴに少年ビリーへのプレゼントとして、ビリーの元に現れた。





3つの、クリアできそうな約束と共に・・・。





①達太を太陽に晒してはいけない。



 死んでしまうため。



②達太に水をかけてはいけない。



 5体に増えるため。



③達太は深夜0時以降は食べない。



 癖になるから?



 そうではない。



緑色の化け物になってしまうからだ。





①~③を守ることなど容易い。



俺は、一生ビリーとこの家で、楽しく過ごし続けるだろう。



そのうち、家庭教師の役割も果たすかもしれないね。





じゅてむりん後半、お楽しみに。



ハッピーエンドが待っています。





♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡





「ねえギズモ。今日は僕と一緒に眠ろうね。」





「おいビリー、俺は達太だ。宮村達太だ。そのギズモっての、やめてくれないか。」





「わかったよ。ごめん。」



「わかってくれたならいいんだ。



 さあ、クリスマスのご馳走を堪能しよう。アーメン。」





「なあ達太君。



 息子のビリーへのプレゼントとして、君を選択したんだがね。適当にアーメンと言うのはいかがなものか。」





「すみません。お父上。もっともっとオードヴゥルに感謝して、今後は唱えます。」





「ねえ達太!



 ご飯はもう済んだよね!



 とってもたくさん食べたもんね!



 向こうでおもちゃで遊ぼうよ!」





「ビリー。悪いね。まだだ。



 まだ食べるよ。」





「達太君。



 息子の頼みだ。



 それに今日はクリスマスだ。



 おもちゃで遊んでやってくれ。」





「ウイ。ミスター。



 ですが、もう眠ります。」





「嘘だろおい、まだ夜の9時だ!」



「ウソでしょギズ、、達太!



 僕より早く寝るの?」





「嘘ではありません。



 深夜0時以降に食事をしないためにも、もう寝てしまうのが良いでしょう。」





「なるほど。一理あるな。」



「え~。僕もっと達太と遊びたいよ!」





「さんきゅ。でも我慢だビリー。



 俺は、ずっといる。



 君の初めてのデートにも緩衝材として同行するし、結婚式では最前列にいる。明日、遊ぼう。お休み。」





「かん、しょう、何??」





「父上。そういう事で俺はシャワーを浴びて、寝ます。バスタオルはどちらに?」





「おま!



 失礼、ギズ、達太君。



 君は水を浴びてはいけない。」





「おっと!そうでした、俺としたことが、増えるところでした!



こんな食う奴が5体になったら大変ですよね、HAHAHAHA、HA!」



「この近所にコストコはありますか。



 あ、アメリカじゃ全てのスーパーがコストコ然としてますか、HAHAHA、HA!」





俺はベッドへ向かう。



今日は疲れた。



最後に放ったアメリカンジョークが不発なのも仕方が無い。



アメリカの家庭に、急にプレゼントとして贈り込まれたんだ。送り込まれたんだ。贈り込まれたのか。



しかも、①~③の奇妙な約束とともに。



俺は明日から①太陽に当たらない、を守るために日傘を差して出歩くことになる。





♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡





深夜0時30分。



ぐっすり眠る俺の耳に、



「達太、達太!」



との声が。



ビリーか?





「おはようビリー。



 なんの用だい。」





「達太、ビスケット、食べる?」





食べる訳がない。



③の約束が無くても、ビスケットなんて食べない。



俺は一度「おはようビリー」と返したにも関わらず、狸寝入りを決め込む。



ビリーを無視。





「達太。達太。サンドイッチは?」



「具は?」



「ハムとチーズ。」





俺は具を訪ねたが、狸寝入りだ。カツサンドでないなら無意味。



ビリーは2度にわたる狸寝入りで、心を弱くしたようだ。



俺のベッド脇から、去った。



メリークリスマス、ビリー。



俺は心の中で思う。





だが。



ビリーが中途半端に火を点けた。



俺はクリスマスのオードブゥルが恋しくなる。



せっかくアメリカの家庭にプレゼントとして贈り込まれたのだ。堪能しなければ。





俺はベッドから這い出て、キッチンへ。



おいおい深夜0時をとうに回っているぞ・・・?



と自嘲しながら。





ハッピーエンドを頼むよ、達太?!





緑色の化け物になったり、5体に増えたり、死んだり、しないでくれよな!





最終話へ、続く。



この回が後半だと冒頭で述べたが、



長くなってきたので、最終話へ、続く。





じゅてむりん



メリークリスマス