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じゅて~む

じゅてむりん① 第63夜

2021.02.06 03:28












【あらすじ】



N県新潟市やN県長野市でコント活動をする集団の、コント台本を担当している江尻晴子が、架空の男性・達太としてエッセイ連載にチャレンジ。



タイトルの「じゅて~む」は愛しているという意味だが、架空の男性・達太が主人公の小説「じゅて~む」からの引用でもある。



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俺は達太。



39歳の会社員。



俺に似ている有名人は、



高木ブーや音楽家のバッハ、ほんじゃまかの石ちゃんと、名わき役揃いだ。





俺は月~金は会社員。



土日はエッセイストとして働いている。



「じゅて~む」で〆るエッセイを書いている。





だが。



俺がもしもグレムリンだったとしたら、どうだろう。



つまり、ジュテムリンだ。



とにかく響きが抜群だ。ジュテムリン。



たまには「じゅて~む」なんて甘い文句は封印して、「ジュテムリン」と囁いて〆たいもんだよ?




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クリスマスの夜。



俺は、発明家に見染められる。




「息子へのプレゼントになってやってくれないか。



君はとっても珍しい。」と。



「愛くるしいではなく、珍しいでイイのかい。さすが発明家、発想が格別だ。日本人のみっともない体格の、腹に栄養を蓄えまくった俺でいいのかい。」





いいだろう。俺も暇をしていたところだ。今年のクリスマスは女とディナーという気分ではなかったものでね・・・。



いつだってクリスマスだって、俺は生姜焼きや麻婆麺が食べたいんだ。



女とワインで乾杯なんて、御免だ。





だから俺は、アメリカ人の家族のクリスマスに参加して、オードブゥルを食べることを選ぶ。



息子さんとやらのプレゼントになってやろうではないか。





「お父さん、なに、このプレゼント!



とても胴長短足で太っているよ!



唐揚げ棒を両手に持っているし、口には肉まんを咥えている!器用だね!」





器用、か。



確かに俺は器用かもしれないね。





「ビリー、この子はとっても珍しい生物なんだよ。



 ただし、約束があるよ。



 ①太陽に晒してはいけないよ。



 ②水をかけてはいけないよ。



 ③深夜の12時以降に食物を与えて  



  はダメだよ。」





この旦那、何を言い出すんだ。



ジュテムリン本人の俺は、そんなこと初耳だ。





①番は、まあ、クリアーだ。



今年の夏は日傘を射すか。



俺が、日傘ねぇ。



恥ずかしいが仕方あるまい。



道行く人は思うだろう。日焼けを気にする前に、その死んだ目や、立派な腹を気にしようよ!!!! と。





言わせたい奴には、言わせておけばいい。



あれ、でも、そんな奴はどうせ暇なんだろうから、そいつには面白いことを言わせておけば、もっといい。世界が楽しい雰囲気になる。





そして約束の②番だ。



水をかける?



は?



俺に水をかける機会がありますか?



はい、ある。



よく喫茶店で、理不尽に女性をフッた男は、グラスの水をかけられている。



だから恋愛は面倒だ。



だが。



これで言い訳ができた。



「俺は水をぶっかけられると、増えるんだ。俺が増えたら、みんな困るだろう?食費がかかる。」



「増え方はそんなに派手じゃない。



 5体の俺ができる。」





女もフレたし、



親子は、5体の俺が下宿する様子を想像し、絶対に水をかけないと誓っただろう。



俺が家庭内に5体いたら、誰だって嫌だ。この俺ですら・・・。





つまり。②番もクリアーだろう。





しかし。



③番。



無理だ。



夜の0時以降に、食べてはいけないなんて。





俺は凶暴化するだろう。



俺の皮膚は緑色となり、



なんだかヌラヌラする。



目は、元から死んでいるのに、もっと死ぬ。



あんまり他人に見せたことの無い歯は、尖るだろう。



口を閉じていれば違いはわからないかもしれないね。





「ねえ、パパ。この子の名前は『ギズモ』にするって決めたよ!」





「いや。ダメだ。



 俺はギズモ改め、宮村達太だ。」





「え!



 僕のペットなのに、もう名前があるの??」





「ある。達太だ。そして、深夜0時以降にも色々食べたい。だってクリスマスだろう?」




さあ、いよいよ〆の文句だ。





ジュテムリン。