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じゅて~む

じゅて~む エッセイ編 第29夜

2020.10.18 03:26












【あらすじ】



N県新潟市やN県長野市でコント活動をする集団の、コント台本を担当している江尻晴子(39歳)が、架空の男性・達太としてエッセイ連載にチャレンジ。



タイトルの「じゅて~む」は愛しているという意味だが、架空の男性・達太が主人公の小説「じゅて~む」からの引用でもある。



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まずは自己紹介から。



只今、日曜の夜21時です。





月~金は会社員を装ってはいるが、本当はエッセイストの俺、達太。39歳。



ウェブ上にてエッセイを連載しているのだが、ダンディを決めたくて、第〇回というのを、大人っぽく色っぽく第〇夜とカウントしているのだが。



困った事に第29夜を迎えてしまった。



つまり、肉屋だ。



第15夜も、15夜の月の美しき呪いにかかってしまい、全く筆が進まなかったのだが、今回は尊敬する職業第一位の肉屋だ。



プレッシャーが半端ではない。



ちなみに、第2位が警察官、



第3位が医者と中華料理屋で順不同、第5位が定食屋、



第6位がダイソーの社長だ。





それで、こんな時間だ。





俺は諦めたんだ。



第29夜にふさわしいエッセイなんて、この世に存在しない。



だから俺は本日をエッセイストとして過ごすことを諦め、読む側に回ることに。



読書の秋だ。肉屋を尊敬する読書の秋だ。




元々ほとんど開いていない目を、俺は瞑り、自身の本棚に手を伸ばす。



こんな肉屋日和に読む本を自分で選ぶほど、俺は身の程知らずではない。



運に任せるのだ。





フランツ・カフカ、変身。



フランツ・カフカと聞いて、ケーキ屋だと思う女子も多かろう。違いますよご婦人連中、小説家です。





中学生のときに読書感想文を書くために買い求めた一冊。



大人になった今、読むのもいいもんだ。当時とはまた違った感想を抱くだろう。



俺は母校に乗り込む俺を想像する。



中学の頃に書いた読書感想文を取り返しに行くのだ。



今の俺はあの頃の何倍も大きく成長した。何倍だ?4倍か。



今の俺が抱く感想は、4倍中身がある。



「朝起きたら巨大な芋虫なんて嫌です。」など書くものか。



母校の教師は驚くだろう。読書感想文の回収?誰?卒業生?高木ブー?



母校を訪ねるタイプじゃないよねえ?!



ほっとけ。





想像できてしまった、俺が、母校に拒否される様を。賢さは罪だな。読書感想文の回収は、次回に持ち越しだ。





さて。



娘さん方、フランツ・カフカはケーキ屋ではありませんよ。



代表作は「変身」朝起きたら、巨大な芋虫になっていたという・・・。



しかもそれで起承転結があるわけでもなく・・・。



読書の秋に読んでみなさい、マダム。





『「変身」を読み』宮村達太(39)





俺は、朝起きたら巨大な芋虫と化していた。



腹が減っていた。



自室を出て、台所へ向かう。



キャベツを食わねばならないのか。



しかし人間であった記憶が強い。



俺は、冷凍庫から牛丼の具を取り出し、お米を炊き、牛丼大盛を頂く。



冷蔵庫にハムを見つける。



頂く。



スマートホンをいじり「銀の皿」の寿司と、バーミヤンの中華を注文、ピザも。本当は定食屋の出前を取りたいが、そこは芋虫。大人しくスマホ注文に徹する。





芋虫としての土日。人間達太の土日と変わらないな。俺の感想。



もりもり食べて、月曜に備える。



俺は芋虫でも俺。



フランツは芋虫になるのが怖かったか。食べに出掛けられない苦悩というやつだな。青春そのもの。



つまりは。出前が発達していない時代の小説なのだ。そうか。そうだ。



もしも出前が発達していたら、こんな小説は生まれなかっただろう。





俺は、芋虫として栄養を蓄え、そして、さなぎとして夜22時に眠る。



そして、朝7時、蝶として目覚める。



順調だ。



「変身」は順調だ。





明朝、蝶となり出社するのが楽しみだ。



甘い蜜を吸いまくるんだ。





・・・。



は?



蜜?



つまらんよ。食べた気がしない。



蝶になるのも考えものだな。



芋虫のままが良い。





明朝、県道沿いのかつ屋で朝定食でも頂こうか。



蝶として、芋虫として。





読書の秋。



読む側も悪くないな。





全ての肉屋に、



じゅて~む!!





もちろん、業者向けの肉屋も含んでますよ、



じゅて~む!





愛が止まらない、



じゅて~む!





ハッピーバースデイ第29夜!