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じゅて~む

じゅて~む エッセイ編 第二十夜

2020.09.05 02:15












【あらすじ】



N県新潟市やN県長野市でコント活動をする集団の、コント台本を担当している江尻晴子が、架空の男性・達太としてエッセイ連載にチャレンジ。



タイトルの「じゅて~む」は愛しているという意味だが、架空の男性・達太が主人公の小説「じゅて~む」からの引用でもある。



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まずは自己紹介から。





俺は達太。高木ブー似の39歳、会社員だ。



中身はスタイリッシュでスマートだ、安心して欲しい。





しかし、誘拐されてしまった。



いや、幽閉というべきか。



だから安心しないで欲しい。





とにかく、さらわれてしまったのだ。



俺をさらうのは大変だったろう。



まず、俺は疑り深い。



「ぼうや、キャンディーをあげよう」と誘われても、



「いや。キャンディーは結構。牛丼のクーポンも結構。牛丼の実物がここにあれば実費で食わせてもらう。」



と返す男だ。



それに俺を「ぼうや」と見間違える奴は、2020年の日本には、いない。




それに俺には隙が無い。



小柄にも関わらず、常に80㎏~90㎏の間に体重をキープ、70㎏など寄せつけない。



毎日、家と会社の往復だ。



他、定食屋と牛丼チェーンの往復だ。



さらわれる隙がないはずだ。



定食屋と牛丼チェーンの往復に驚いた君は、きっと女性だ。



男にはそんな夜も、ある。



解ってやれ。



それを理解できなければ、女なんてやめちまえ。





今回の自己紹介は、俺の近況で申し訳ない。さらわれ中。



もっと、好きな女性のタイプなど、そろそろ明かしてゆきたいというのに。



読者は皆、夢オチと予測してこのエッセイを読んでいるだろう。



それもまたよし。





どんどん減っている読者諸君!



その分、俺の腹もどんどん減る!



そしたら俺はカツ丼を食う!



なんと、読者と俺の腹は連動しているのだ・・・!驚いただろう?



つまり、いま、この文章を読んでいる諸君は、俺の腹なのだ。



素晴らしくも薄気味悪い体験を、すべての読者に、じゅて~~~む。





要約すると、俺が毎日カツ丼を食えるのは、読者諸君のおかげだよジュテーム!



毎日カツ丼を食っている事実に驚いたかもしれないが、驚かないで欲しい。一生のお願いとする。





・・・。



・・・。



・・・。



(なんの話をしてたのだ我々は)



・・・。



! ! ! ! ! !





俺はドラマで見たことがある。



「トイレに行きたい」



と懇願すると、犯人グループの一番の下っ端の心優しい奴が、縄をほどいてくれる場面を。




俺はトイレには行きたくない。



行ってたまるか。





俺は、



「カツ丼を食べたい」



「麻婆麺が食べたい」



「生姜焼き定食が食べたい」



「焼き肉食べ放題に行きたい」



と、懇願する。





しかも。



「すべて俺のおごりだ」



と提案する。





そして、俺は解放されるだろう。



犯人グループも、みんなでガッツリ食いたいのだ。



こうして、事件は解決だ。俺が誘拐された。俺が幽閉された。そして解放された。



解決済で申し訳ないが、想像して楽しんでもらおう。



もちろん、犯人グループは俺を持て余していたな。ジェネレーションギャップで。



近所に「宮村チキン達太」というキラキラネームの少年がいるとしか考えられない。



俺は、それと、間違えられて幽閉されたのだろう。





本当のハッピーエンドを見たことはあるか?



俺は、ある。



宮村チキン達太君も、俺も、無事というハッピーエンドだ。





エッセイだったな。中学の教科書に載るにふさわしい。





じゅて~む。