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じゅて~む

じゅて~む エッセイ編 第十九夜

2020.08.30 04:45












N県新潟市やN県長野市でコント活動をする集団の、コント台本を担当している江尻晴子が、架空の男性・達太としてエッセイ連載にチャレンジ。



タイトルの「じゅて~む」は愛しているという意味だが、架空の男性・達太が主人公の小説「じゅて~む」からの引用でもある。



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まずは自己紹介から。





俺の名前は達太。会社員。



39歳、独身。



恋人募集中だった。なぜ過去形か。恋人ができたか、いや違う。



ただただ、募集を取り下げただけだ。意味はない。



これからも募集をしたり、取り下げたりを繰り返してゆく。




ところで。



先日、鏡を見て驚いた。鏡の中に、藤岡弘が現れた。



だが、どうも様子がおかしい。



藤岡弘が30㎏の増量に成功したような様子なのだ。



役作りか。



とりあえず、サインをもらおうと色紙を準備し、「増量なんて役者魂ですね」とのコメントも用意したのだが、



驚いたことに30㎏の増量に成功した藤岡弘も手に色紙を持っていた・・・。





俺は色紙を床に落っことす。



鏡の中の藤岡弘も色紙を床に落っことす。





とんちだ。ホラーではない。



わかった読者はいるか。



読者がどんどん減っているが、大丈夫か、いるか。



じゅて~む、愛しているよ。おいで。





つまり。



藤岡弘は俺だったのだ。





29歳の頃。



鏡の中に、音楽家のバッハが現れて驚いたことがあった。



そういうことだ。





なぜ恋人募集を取り下げるのか、



簡単な理由だ。



恋人とドライブに出掛ける。



会話が途切れる。



俺は「しりとり」でもしようと提案する。



恋人は「懐かしいわね。でも楽しそう!」と言ってくれる。彼女は心も美しいのだ。





だが。俺は腹が減りだす。



しかし、女の機嫌を損ねることなく、女に気付かれずに、3分内に食べきることができる食事など「丼もの」しかない。





しかし「しりとり」は容赦なくスタート。



俺は、ウサギ、牛丼、の流れで負ける。



スイカ、海鮮丼、で負ける。



負けてばかり。





しかし、ここまではいい。女も楽しそうだ。



俺がしりとりそっちのけで、リスの後に、麻婆丼を繰り出し、ムードが怪しくなる。



女が何を挙げようと、ルールそっちのけで、丼ものを述べる遊びを、俺が始めてしまったのだ。



天丼、ネギトロ丼、豚丼、卵丼、親子丼、サケいくら丼、うな丼。



勝手に「ん」のつく食べ物を述べ「負けたー」と悔しがる俺に、女は困惑する。





そして。牛丼特盛。天丼&ミニうどんセット。カツ丼ダブル。



「ん」で終わっていないのに「負けたー」と悔しがる俺に女は困惑気味だ。





恋愛は素晴らしい。



しかし、面倒だ。





じゅて~む。



むらさき。



金色。