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じゅて~む

じゅて~む エッセイ編 第十五夜

2020.08.15 17:44












【あらすじ】



N県新潟市やN県長野市でコント活動をする集団の、コント台本を担当している江尻晴子が、架空の男性・達太としてエッセイ連載にチャレンジ。



タイトルの「じゅて~む」は愛しているという意味だが、架空の男性・達太が主人公の小説「じゅて~む」からの引用でもある。



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まずは自己紹介から。





俺は達太。



39歳の会社員だ。ばりばり現役と思われるかもしれない。



そうでもない。健康年齢65歳だから、定年間近だ。





ところで。このエッセイも早いもので、15回目だ。洒落を効かせて「第〇夜」なんて数えていたが、それが俺の首を絞めた。



なんと今回は第十五夜。





十五夜のプレッシャーはデカい。



筆が止まりそうだ。助けてくれ、いや、むしろ助けてはならない。十五夜に逆らうくらいならエッセイは辞めたほうが良さそうだ。





自分で自分の首を絞めた状態で、自己紹介だけ、せめてしておく。



俺が、俺の首に手を添えたポーズをとっているのを是非、想像を。準備はオーケー?



俺は、ほんじゃまかの石塚さんと、高木ブーを足して2で割ったような外見をしている。



どうだ、俺が俺の首に手を添えているか?



自己紹介を続ける。



もし、石塚さんと高木ブーのどちらかが女で、2人が結婚しても、俺が生まれるだろう。



高木ブーが女の世界が、もしあるとしたら、その世界には俺が2人いる。宮村達太と、石塚達太。



そんなオカルト、俺はまったく信じないがね。



音楽家バッハだって俺に似ているんだ。そんなもんだ。オカルトに考えるべきじゃない。





やはり十五夜のプレッシャーがすごいな。



腹が減ってきた。ムーンパワーというやつだろうか。この腹の減りは。俺の腹と思えない。



俺は腹と一心同体のはずなのに。



腹と離れるわけにはいかない。誰だってそうだ。





本当に、もう駄目だ。



エッセイは来週に持ち越しだ。すまない。恨むなら十五夜のお月さんを恨むんだな。首に手を添え、自己紹介だけ済ます。





嫌いな嫌がらせは、落とし穴。



痛いうえに這い上がるのが億劫だから。



好きな嫌がらせは、出前注文。



注文した覚えのない出前が、じゃんじゃん届くアレだ。敵が注文していたというオチの。



誰も傷つかないところが好きだ。俺は性善説を推す。



実際注文した奴は、うさを晴らすだろう。それはもちろんだ。そいつが仕掛けたのだから。



出前がじゃんじゃん届いた側も、嬉しいばかりだ。旨いものが大量に届く。次から次へと、届く。



注文した覚えのない寿司を「食えるかな全部、なんせ生もの・・・」と焦って味わっているところへ、チャイムが鳴る。誰だ?と思い玄関へ行く。するとピザ屋がいる。ピザの箱を5つ持っている。



嬉しくなる。



金はもちろん払う。すべて俺が食うのだから。敵と割り勘という考えもあるが、敵は注文しただけで食べてないので徴収しない。



だってそうだろう?職場でもケータリング弁当の数を取りまとめて注文するのは総務のおばちゃんの係だが、彼女は昼食持参。彼女から弁当代を徴収する奴なんていない。そんな奴がいたら、俺がぶっ飛ばす。



地域の経済も元気になるし、誰も傷つかない、嫌がらせだ。





自己紹介はこんなところか。



他に紹介できることはあるだろうか。



十五夜のプレッシャーで、調子が出ない。



俺はデリケートなんだ。世界陸上の選手に選ばれても、全然実力を発揮できずに帰国するだろう。



陸上には詳しくないから、どの種目に俺が選ばれるのかは、まったく予想できない。それも怖いところだ。



種目が定まらないため、ユニフォームが準備できないから、俺は学校の体操服みたいな恰好で出場することになる。日本代表には違いないから、日の丸はあしらう。体操服の前面と背面、両方にしよう。日の丸弁当みたいに、なるんじゃないか?それも怖い。プレッシャーだ。



実力が発揮できない。帰国だ。




他に、よく自己紹介で紹介することといえば。



好きな映画か。



あと、趣味か。



他に何かあるか。



そういえば、自己紹介で似ている有名人を発表するなんて、あまり無いな。



俺は今まで何をしてきたんだ。



十五夜の前では、誰もが丸裸だな。



あとは何だ、目標か。



目標はこのエッセイの書籍化だ。強く、深く、望んでいる。



〆は、何だ。



これから仲良くして下さい、だな。



「じゅて~む」に含まれているな。じゃ省略だ。





今日は十五夜のプレッシャーで、断筆状態だったな。





だが詫びたりしない。俺は月が好き。





今、首に添えていた手を、下ろした。