『W旦那+(プラス)』第106話 三代目妄想劇場
2018.01.03 23:00
「肉が食いたい」唐突に臣が言った。
ジムを出る頃には夕方の6時を過ぎていた。
理愛の店が閉店するまで、まだ数時間ある。
二人で理愛を迎えに行く前に、軽く夕食を食べに行こうと臣が言い出した。
隆二「理愛ちゃん大丈夫かな?」
臣「さすがに24時間監視ってワケにはいかないよ」
臣「奴は…理愛自身には危害を加えないんだろ?」
隆二「そうだね」
臣「俺らとがんちゃんの三人以外に狙われるLDH関係者がいたとしたら…
もう止めようがないよ」
あっさりとした口調でそう告げた臣だったが、隆二自身も三人だけが狙われていると思い込みたかった。
何か想定外の事があっても…
奴は人間の手に負える相手ではない。
その場に自分たちが居たとしても、どうする事もできない。
隆二「二人で外食なんて…久々だね」
理愛と剛典を尾行している時に、一緒にパスタを食べたが、あの時とはまるで状況が異なる。
5年前…最後に海を見に行った時も、
二人は結局愛し合うこともなく、食事すらしなかった。
隆二(付き合っていた時に、最後に外食したのどこだっけ…?)
目の前に座る臣の顔を見ながらそんな事を回想していると、店のスタッフがオーダーを聞きにやって来た。
臣「俺レアで。ほとんど火を通さなくてもいいよ」
「かしこまりました」
隆二(あれ?臣ってそうだっけ?)
隆二(ステーキでも焼き肉でも、よく焼いてたようなイメージがあったけど…)
End