眼瞼下垂(がんけんかすい)
「頭痛」「肩こり」「目の疲れ」
ひょっとしたら・・・眼瞼下垂(がんけんかすい)のせいかもしれません!
久しぶりに会った知り合いに、「最近眠そうな眼をしているね」と言われる事ありませんか??
テレビを見ているときに、「おでこのシワが増えたね~」 なんて言われていませんか??
眼瞼下垂は
①生まれつき(先天性)のもの ②後天的(加齢や変性など)によるもの ③その他
に分けられます。
①の原因は、上マブタを上げる筋肉(眼瞼挙筋)をコントロールする神経の異常や、筋肉そのものの発育不全などであり、成長とともにはっきりしてきますが、片側性の場合まずはマブタの開き方が左右非対称であることから気づかれます。
両側性の場合でも顎を上げてモノを見る癖や、常にマブタが下がった状態で眼を見開くことができなかったり、弱視や斜視の検査で眼瞼下垂が原因であることで気づかれたりします。
②の原因は、加齢や長期のコンタクトレンズ使用・アレルギーなどで眼をコスりすぎたなどで上マブタを上げる筋肉の一部(眼瞼挙筋腱膜)が伸びたり緩んだりしたもの、あるいは加齢で緩んだ皮膚が直接上マブタに重くのしかかってきたものなどであり、これは徐々に進行するために自分自身では気づきにくいこともあります。
③は外傷(けが)によるものや、甲状腺や神経系の病気でなるものなどがあり、特に後者の場合は原因疾患の治療をしないと改善しないものもあります。
上まぶたが瞳孔(瞳の真ん中)にかかってくると、知らず知らずのうちに眠そうな眼をしていたり、反対に一生懸命眼を大きく開けようとして額に深いしわが刻み込まれていることも!!
頑張って大きく眼を開けようとして周囲の筋肉に無理な力がくわわり、その結果で頭痛・肩こりが生じていることがあります。また視界が狭くなっているのが目の疲れの原因かもしれません。
ためしに指で上瞼の皮膚を上に持ち上げて視界が広がり見やすくなったり軽さを感じる場合は、手術で改善する見込みがあります。
手術の方法はいくつかあり、その原因や実際の改善度などから術式を選択していきます。
保健診療でできる手術は 1.眼瞼挙筋前転法 2.筋膜移植法 3.その他のもの
の3通り。
1.眼瞼挙筋前転法
緩んだ筋肉や腱膜という組織を、マブタが開けやすくなるように位置を調整する方法
⇒伸びたパンツのゴムをちぢめて縫い直すようなイメージ
2.筋膜移植法
マブタ本来の筋肉の力で開けられない上マブタを、額の筋肉の力で引っ張り上げる方法
⇒緞帳(どんちょう)を上からヒモで引っ張り上げるイメージ
3.その他のもの
かぶさって直接視野の邪魔になったり重くのしかかることで開けにくくなった上マブタの余った皮膚を切除する方法
⇒だぶだぶのズボンのスソを詰めて調整するようなイメージ
手術で一番大事なことは、上マブタが閉じにくくならないように調整すること。
あんまり無理して上マブタを上げてしまうと、寝ているときにしっかり眼が閉じられずに瞳孔が露出して、角膜の乾燥・炎症による視力低下が起きることも(+_+)
ワタクシは手術を計画するときには「控えめに」調整することを必ず説明しています。
クリニックでは、加齢でのマブタのゆるみ・垂れさがりで生じる眼瞼下垂のご相談をたくさんうけています。
その多くの方に「頭痛」「肩こり」「目の疲れ」などの症状があり、手術で見えやすさが改善することで、それらの症状も良くなっています。
ご本人あるいは家族の方で、原因がわからず、なかなかよくならない頭痛・肩こり・目の疲れがある方は、是非一度ご相談ください^^