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ライオン富士子さんと象のソム君と 甲斐犬。

2018.01.05 01:16

こんにちわんわん。ぼくの名前はパルム。


山遊びが大好きなご主人様と山に行くのが大好きです。

どんなに急な山もひょいひょいっと。


坂を上るのは当然だけど、下るのだって早いんだよ。

川だって平気。泳げちゃうし


雪だって

かき分けてどんどん進んじゃう。

鹿、イノシシ、猿を見ると追いかけちゃうし、吠えちゃうんだけど、ご主人様には吠えないんだ。

おりこうでしょ。


ご主人様はぼくといるのが楽しくて楽しくてしかたなくて、

色んな所へ連れて行ってくれるんだ。

ぼくもとっても楽しい。ずーーっと仲良しで一緒に居たいんだ。


ぼくはね、パルムっていう名前だけどね、お父さんとお母さんは柴犬と、レトリーバーと、甲斐犬のミックスなんだよ。


甲斐犬って知ってる??

国の天然記念物にもなっている正真正銘、日本の犬。

柴犬、紀州犬、北海道犬、四国犬、秋田犬、そして、甲斐犬の6犬種だけが日本の昔むかしからの犬っていうことで認められたんだ。

特徴はブチ毛と呼ばれる虎毛に、黒い口、舌の黒斑。耳はピーンと立っているんだ。

ぼくは、いろいろミックスでお母さんのレトリバーが入っているから、お口が長くて、耳が大きくて、肩が少し張っているんだ。でもね、ぼくの兄弟はみんなお母さんに似ているのに、ぼくだけ、ブチ毛の虎模様に育ったんだよ。一番甲斐犬ぽいんだって。


そうそう、甲斐犬がどれだけすごいかって?

国立科学博物館にあの有名なハチ公くんとジロウ君と一緒に僕のご先祖様が飾られているくらいっていえばわかるかな?

                        (写真・国立科学博物館提供)


でね、もっとびっくりなのは、

実は甲府の動物園の園長先生だった獣医師の小林承吉先生が診察したのがきっかけになって発見された日本の犬って知ってた???

山梨県の南アルプスの山々のふもと、芦安村で確認されたっていうのは知ってたけれど、まさか、甲府の黒平で最初に確認されていたなんて!

詳しくはここを見てね!


そしてね、甲府のみんながライオンと出会ったのは、ぼくの先祖がアメリカにも行ったからなんだよ。


空襲で存続の危機にさらされた甲府の動物園を、園長小林承吉先生と、後に動物園の獣医となった小林君男さん(園長の長男)は、甲府市から動物園を譲り受けて、自分たちの手で復活させてくれたんだ。

復興に力を注いでいた小林先生のところに、アメリカ・ユタ州ソルトレイク市のホーグル動物園から「日本特産の動物と当園の動物を交換してほしい」とまたとない申し出があったんだって。その時、甲府からツキノワグマ、タヌキ、イノシシそれに甲斐犬を親善特使としてアメリカへ送ったんだって。

そしたら、そのお礼に昭和25年6月、ホーグル動物園から3頭のライオンが送られたんだ。

3頭は甲府動物園、京都動物園、上野動物園(東京都)で飼われることになって、甲府にやってきたメスのライオンには「富士子」という名前がつけられて、みんなに親しまれるようになったんだって。

これは富士子の写真と、君男さんの奥様の静江さん。


もっとびっくりなのは、富士子さんのことが全国ニュースになったら、その富士子さんを貸して!って申し出がたくさん来たんだって。

神戸の宝塚動物園の小象のソム君と7か月だけ交換することになって、今度はゾウさんが甲府にやってきたんだよ。

甲斐犬ーライオンー象。すごいよね。


ソム君。

大歓迎っぷりはすごかったんだって!


そしてなにがすごいって、小林先生、すごい。



詳しくは甲府の市民レポーターの由希さんが書いてくれているから、読んでみてね!

今も小林先生のおうちは甲府の駅前で動物病院をやっているんだよ。

ぼく、甲斐犬がすこーし入っているし、戌年だからたくさんお話ししたけれど、

とにかく、すごいことだらけなんだよ!


ということで、今年もぼくは野山をたくさんかけめぐり、楽しく遊ぶんだ!


だから、みんなも一緒に楽しもうね!

今年もよろしくお願いします!


パルム。