石碑紹介「努力は叶う」
【為せば成る】(その気になれば出来ない事は無い)
努力は叶う
為せば成る
為さねば成らぬ
成る業を
成らぬと捨てる
人のはかなさ
(武田信玄)
なせばなる
なさねばならぬ
何事も
ならぬは人の
なさぬなりけり
(上杉鷹山)
・武田信玄:戦国武将
・上杉鷹山(ようざん)
江戸後期の米沢藩主
1 はじめに
「為せば成る」という諺(ことわざ)は、上記 短歌(教え)が元に成っています。
そして、その出典は中国の「書経」が参考に成っているようです。
この石碑は、懐古庵の南側庭に配置しています。
約40個ある石碑の中で、この石碑の製作に一番苦労しました。
費やした期間は約6ヶ月。
(なにぶん専門業者とは違い、休日での手作業ですからー)
素材が花崗岩のため硬(かた)く、文字数こそ少ないものの、ルーターのダイヤモンドビットを何本も折って交換したり、安価なルーターを壊すなどして、ようやく完成した作品(名句碑)です。
その上、重量が100㎏は超えている為、移動や基礎コンクリートを張ったりする作業が大変でした。
2 為せば成る
これは、何事も諦めずに「やればできる」という真理を諺(ことわざ)にしたものです。
武田信玄のこの歌(短歌)は、江戸時代を代表する武士道の書「葉隠(はがくれ)」の教えにも出てきます。
葉隠とは、「葉隠聞書(はがくれききがき」のことで、全11巻から成る武士道の代表的書物です。
一線を退いた佐賀・鍋島藩士「山本常朝(じょうちょう)」が口述したのを、後輩の田代陣基(つらもと)が記録したと伝えられています。
思想の根底には、儒教思想と禅思想があり、五倫五常の実践と質素・倹約・勤勉を融合した指導者の論理とされています。
上杉鷹山は、葉隠などの教本から武田信玄の「為せば成る」の教えに触れたのでしょうか、鷹山の「為せば成る」という短歌は、信玄の短歌を参考にして作られ、藩士への教えになったとされています。
葉隠には、
〇道は自分に克つ事
〇可能性に挑戦する!
などの教えがあります。
よくオリンピックのインタビューで、勝ってメダルを手にした選手が「努力は報われる-」と口にしたり、残念な結果に終わった選手の口から「報われない努力もあるー」と悔しい思いが発せられたりします。
大事なのは、結果がメダルの色や、メダルの有る無しではありません。
夢や希望に向かって「挑戦する気持ち」こそが大切です。
「自分に克つ」とは、道を極めた人の言葉とされ、何事も徹すれば悟りや真理に行き着くものあり、「自分との戦い」の結果の栄光だと云われています。
「可能性への挑戦」とは、可能と考えるか不可能と考えるかは、肯定的な考えか否かの違いであり、肯定的な考えから可能性が生まれるとの教えです。
3 前向きに「行動する事」が大切
努力は人を裏切らない。
元気が無ければ、周りの士気も下がる。
不断の努力と熱意、そして「やる気」。
諦めず努力すれば「何かが変る」。
そして、進化に魅力が生まれる。
挑戦者としてチャレンジを恐れず、中途半端に終わらず諦めず、結果を出し続けることが大事です。
才能不足は気持ちの問題であり、何事も精進すれば困った事にも立ち向かって打開し、そんなに難しくはない。
何でも本気(ばか)になって取り組めば、真剣さが奇跡をも生むものである。
4 おわりに
日々懐古庵を営業し、庭を歩いて此の碑文(努力は叶う)を目にする時、「自分に克つ事」に対する「可能性への挑戦」だと意識し、情熱が湧いてきます。
そして、「自分との戦い」の結果の栄光!を自分への励ましの言葉にしています。
懐古庵主
(追記)
当庵に関心がある方は、次のワードも検索してみて下さい。
・ゲーテ思想
・寸鉄の言
・名句碑
・人生の罠
・フォーカシング・イリュージョン
・ABC理論
・惻隠の情
・トイレの手洗器
・脱脂粉乳容器
・ローマ戦車(画像)
等々
当庵のブログが紹介されています。
今回の投稿「努力は叶う」は、当庵が伝えたい理念の一つでもあり、前記ワードと併せて読んで頂けたなら幸いです。
以上
※参考文献
ヴェッジ文庫発行、靑木照夫著
「葉隠100訓」