PCRとは何か?
この二年以上続いている「コロナ禍」という騒動が、未だに終わらない最大の元凶は、PCRであると言えるだろう。
開発者自らが基礎研究に使用するツールであり、臨床応用(感染症診断)に使ってはならないと明言していたにもかかわらず、ある意味において非常に巧みな情報操作によって、新型コロナウィルス感染症診断において信頼性の高い、あたかも、ほとんど唯一無二の検査であるというような間違った思い込みを人々に信じ込ませ、さらに陽性者=感染者という、これまたとんでもない間違った認識を人々に刷り込んで、人々の恐怖心を煽りに煽ってしまった結果が現在の状況である。
しかし、人々は、このPCRポリメラーゼ連鎖反応法について正確にその原理や問題点などを理解しているのだろうか?
非常に嘆かわしいことに大多数の臨床医も本当に理解しているかどうか疑わしい。
その一つの理由としては、比較的新しい技術であるということである。
キャリーマリスがPCRを発明したのが1983年であり、その功績によりノーベル賞を受賞したのが、1993年である。
どの時点で日本の医学教育の中に登場したのか、私には、わからないが、仮に発明の3年後とすれば、1986年であり、その当時すでに医学部を卒業し医師となっていた者は、PCRについては、一切教育されていないということになる。
つまり、今現在、各病院の院長クラスの連中は、自分で興味を持って調べない限り、PCRについて何も知らないと言ってもいいのである。
臨床医は、それなりに忙しい。日々の仕事に追われていくうちに知的好奇心が失われていくようである。
60歳前後で知的好奇心を持ち続けていると思われる医師は、ごく稀である。
つまり、医師といえども一般と大差ないのであり、よっぽどの批判的精神や知的好奇心、研鑽に対する義務感でもない限り、流れてきた情報をそのまま鵜呑みにして、疑うことをやめてしまう。
全く困ったことだが、別に医師でなくとも、現代は、その気になれば、情報を取得することが容易な時代である。
ここで、試しにウィキペディア等で得られる情報を私なりに嚙み砕いて、中高生(できれば小学生高学年)にも理解できるように、PCRについて説明してみようと思う。
なるべく私個人の感想や意見は、最後に持ってくるようにして普通の世間一般に公開されている事実のみの解説を行うつもりである。
なので、読む人は、冷静にじっくり最後まで読んで、論理的に考え、吟味してみてほしい。
さて、いきなりPCRの説明をする前に生化学の基礎、遺伝子の基礎を説明しようと思う。(かったるいと思う人は、飛ばして)
我々人類も含めて、この地球上の生物は、遺伝子というものを持っている。
遺伝子は、何をしているかと言えば、自己複製(自分と全く同じものを作る)のための設計図であり、案内図、プログラムと言ってもいい。
我々の体を構成している元素は、大まかに言えば、炭素、水素、酸素、窒素、リンの五つである。
そのほかにも微量元素やカルシウムや鉄などの金属類も利用しているが、ごくおおざっぱに言えば、そんなところである。
ただ材料を集めただけでは、生物は、形成されない。
それらの化合物を適切な場所に配置し、つなぎ合わせ、互いに連動するようにして生命活動が生まれる。
このプログラムの情報を世代を越えて伝達しているのが、遺伝子である。
その構造を説明するが、まずは、我々人類も持っているDNAデオキシリボ核酸から説明してみる。
名は、体を表すというが、化学物質というものは、国際命名法が決まっており、名前をみれば、大体の構造がわかるようになっている。最初の D デオキシリボースとは、糖の種類であり、化学式は、C5H10O4となる。(さらに詳しく言えば、リボースという糖から酸素原子が一個減っているのでデオキシとついている。)
次の NA は、nucleic acid つまり核酸のことであり、リン酸と塩基(AアデニンGグアニンCシトシンTチミンの4種のうちいずれか)を構成に含んでいることを示している。
立体的に、どのような構造をしているかを文章で説明するのは、ちょっとややこしいが、細かいところを省略して絵描き歌のように説明してみることにする。
まず、ノートに指3~4本くらいの間隔を空けて二本の平行線を書いてほしい。
そのそれぞれの直線に串団子のように大体同じ大きさの円を連続していくつか書いてみてほしい。
そしたら、一個おきに円を塗りつぶして、黒白黒白黒白という数珠つなぎのものが二本できたと思う。
そしたら、白玉の内側(つまり右の線の左側と左の線の右側)にさらに同じ大きさの円を描いていってほしい。丸っこい梯子のような形状ができたと思う。
さて、次に右側の串団子(数珠)の内側に書いた円の中に適当にアルファベットのA G C T にいずれかを書き込んでいく。
さらに、左側の串団子の内側の円には、隣接する右側のアルファベットに対応してAならばT、CならばG、TならばA、GならばCというように書き込んでほしい。
はい、出来上がり。これがDNAです。簡単でしょ。
つまり、この図で白玉は、デオキシリボース(糖)で黒玉は、リン酸(基)で、この二つが入れ替わり、変わりばんこに繋がって、長い長い化合物を形成しており、その糖の内側に、ちょうどネックレスの宝飾品のように各塩基が結合している。そして隣り合う塩基どうしは、水素結合で弱くくっついているということ。
実際は、化学的性質のため、らせん状の立体構造をしているが、それは、この際どうでもいい。
大事なことは、最後にAならばTと言ったように、各塩基が、対となっているものは、種類が限定されるということである。
このことを相補性という。
互いに相手を補うという意味で、鍵と鍵穴、写真のネガとポジ、電極のプラスとマイナス、磁石のS極とN極、男と女(?)と同様で、このことが情報の保持、伝達に重要な意味を持つ。
ここまで御理解いただけただろうか?
それでは、いよいよPCRの説明に入る。
先ほどの一本鎖塩基配列(各串団子)の対の塩基どうし(AとT、CとG)は、水素結合しているが、水素結合自体は、比較的弱い結合なので、温度を上げてやると結合が解かれて、二本鎖を一本鎖に分離することができる。
再び、温度を下げていくと二本鎖にほぼ自動的に修復されるが、必ずしも元々の一本鎖どうしが結合し直す必要はなく、一本鎖DNAとプライマー(結合の出発点)となる短い塩基配列とバラバラの材料となるヌクレオチド(糖、リン酸、塩基のセット)とDNAポリメラーゼという酵素があれば、元通りの二本鎖DNAを作り出すことができる。
ロマンティックな例え(?)をすれば、分かれた男女が、全く同じペアで、よりを戻すこともあれば、違う相手とペアとなることもあるでしょ。
このプロセスの応用がPCRである。
ただ、一本鎖から二本鎖に再構成されるには、いくつかの条件がある。
まず、合成の出発点となる短い遺伝子断片の結合があること(この断片をプライマーという)
上記の結合の先へ二本鎖部分を伸ばしていく(伸張反応)ための、材料(単独の糖、塩基、リン酸のセット これをヌクレオチドという)、そしてポリメラーゼという酵素である。
検査の実際について、できるだけ簡単に説明してみる。
まず、未知の遺伝子断片を含んでいるかもしれない検体に既知の遺伝子配列(今回の新型コロナウィルスの場合は、SARS CoV2の遺伝子配列の一部)を持つプライマーを混入させる。
もし、検体中にプライマーと相補性のある遺伝子配列が存在すれば、つまりSARS CoV2の遺伝子配列と同じ配列の遺伝子断片があれば、適正な温度下でアニーリングという結合が起き、その部分だけの二本鎖が出来上がる。
ここに材料となるバラバラのヌクレオチドとポリメラーゼという酵素を加えることで、伸張反応といって、検体中の遺伝子断片のプライマー結合部以降の部分にも相補的な配列を作り出して、もともと存在した遺伝子断片の複製(相補的な塩基配列を持つ遺伝子断片。注 必ずしもウィルスの遺伝子全長ではない)を作り出すことができる。
次に、また検体の温度を上げてやると、二本鎖が一本鎖に分離される。
ここにまたプライマーを投入し、と、同じプロセスを繰り返せば、倍倍倍と遺伝子断片を増幅することができる。(一連のプロセス、サイクルを何回繰り返したかということをCt値と言っている。)
さて、何回かの操作のあとで、増幅の有無を調べるのだが、その方法は、非常にややこしいので割愛するが、大事な点としては、PCRによって出来上がった遺伝子断片をもう一度解析してどういう遺伝子配列なのか(プライマー結合部以降の塩基配列がどれだけの長さでどういう塩基配列なのか)などという検証などは、一切していないということ。
言ってみれば、得られた遺伝子断片は、もしかするとウィルスの遺伝子全長のものが得られている場合もあるかもしれないが、極端な例では、プライマー部分のみの増幅かもしれないし、例え、ある程度の長さ(塩基数)のものであったとしても、100% SARS-CovV2 と一致しているかどうかは、調べていないということである。
さて、PCRについて簡単な説明は、ここまでだが、如何だろうか?
どうもイメージしにくいようなので、いくつかのたとえ話で説明してみる。
絵合わせ、間違い探し、ババ抜き、UNO、かるた、百人一首 など
日本で幼少期を過ごした人にとっては、どれかは、やってみたことのある遊びではないだろうか?
これらに共通するルールは、何かと何かを対応させて見つけ出すことである。とくに百人一首に注目してみると、百人一首かるたには、一字決まり、二字決まり、三字決まりなど(六字まで)がある。(全く知らない人は、漫画「ちはやぶる」を読んで)
詠み手が、詠み始める前は、もちろん当たり前だが100首の可能性があるが、「め」と発音した瞬間、それは、「めぐりあひて 見しやそれとも わかぬまに雲がくれにし 夜半の月かな」という紫式部の一首に限定される。
「ち」と発音した瞬間に三首に限定され、次に「は」と発音されると「ちはやぶる 神代もきかず 竜田川からくれなゐに 水くくるとは」という在原業平の一首に決まる。
「は」で四首、次の「な」で二首、三字目「の」で「花の色は うつりにけりな いたづらにわが身よにふる ながめせしまに」という小野小町の一首に決まる。
PCRもプライマーの塩基配列に合致する一部分があるというだけで、全体が存在するように決定づけられている。
ただ、百人一首とPCRとが決定的に違うのは、百人一首は、百首という限定された中でのゲームなので、成立しているが、PCRの場合、この地球上に存在する遺伝子断片は、果てしなく多種多様なものが存在するということである。
もう少し、例え話をしてみる。
犯罪現場で証拠として採用されるものとして、指紋がある。
指紋は、複雑な図形の組み合わせで、全く同じものが出現する確率は、数十億から数兆分の一だそうである。つまり、人類全体の人口よりもそのバリエーションが多いので、指紋一つあれば、個人が特定されるという理屈である。
さて、それでは、ある殺人事件の凶器にその人物の指紋が付着していたとして、その人物を犯人としていいだろうか?
答えは、それだけでは、不十分である。
まず、その凶器に付着していたのが、複数の人間の指紋で、そのなかの一つがその人物のものであった場合もあるだろうし、たとえ一つだけだったとしても、真犯人が手袋をしており、その人物だけが、素手でその凶器を触っただけという可能性もある。
つまり、凶器に付着した指紋が証明するのは、その人物がその凶器を触ったことがあるという一点のみである。
近代科学は、あらゆる可能性を列挙していき、一つ一つ消去していって、その後に残ったものを真実により近いものとして証明してきたはずである。
PCRは、明らかにこの原則から外れている。
仮にPCR陽性と判定された場合、どんな可能性があるかを考えてみる。
① ウィルスが身体内存在し、増殖を始めている。(真の感染陽性)
② ウィルスが一時的には、身体内細胞内に侵入したが、既に免疫で駆逐されて、ウィルスの破片だけが、残っている場合。(回復者、無症候性感染後)
③ ウィルスが口腔、咽頭に入って来たが、すぐに免疫のシステムによって破壊され、やはり残骸、破片だけが、残っている場合。(免疫保有者であるが、その時点では、全く感染はしていない。)
④ たまたまプライマー部分の塩基配列は、一致するが、他の部分は、全く違う従来型のコロナウィルス(あるいは、全く別のRNAウィルス)の存在。
など。
おわかりの通り、①以外は、全く感染でも何でもないのである。
つまり、PCR検査というものは、プライマーが結合する遺伝子がこの世にたった一種類しか存在しないのであれば、これほど精度の高い検査方法は無いのだが、実際は、千切れて短くなった遺伝子断片でも結合するし、結合部分以外の塩基配列がSARS-CoV2と違っていても、陽性と判定される(変異株でも陽性と判定されるのが、その確たる証拠)のである。
繰り返しになるが、PCRで判定しているのは、遺伝子断片の増幅が起こったかどうか、プライマーと結合する部分があったかどうか、だけなので、増幅された遺伝子断片がどれだけの長さ(塩基数)か、どういう塩基配列かは、一切検証していないのである。
一部、繰り返しになるが、最後にPCRを臨床応用すること、新型コロナウィルス感染症の診断に用いることのどこに問題があるのかを私なりの考えで列記していく。
SARS CoV2の遺伝子情報は、本当に正しいのか?
中国武漢でのアウトブレイクがあったのは、2019年末であるが、そのわずか10数日後の1月11日にゲノム配列(29309塩基配列)が発表されている。
あまりにも結果が出るのが早いのではないか?
通常は、ウィルスの分離同定が確実に行われてから、全く未知のウィルスをシーケンス法で塩基配列を決定するとなると、数か月以上はかかるはずではないだろうか?
SARS CoV2のウィルスゲノムは、約3万塩基(29309塩基)とされているが、PCR検査で実際に使用されているのは、20塩基ぐらいのプライマーであり、それを5種ぐらい複合して使用しているらしい。(合計100塩基)
つまり、全体の約300分の一の部分を特定しているだけで、全体を特定したことにしている。たとえば、耳の形だけをみて容疑者を特定してるようなものだが、それで本当にいいのか?
そもそも検出しているのは、ウィルス本体ではなく、その破片、残骸なのではないか?(プライマー結合(アニーリング)後の伸張反応で出来上がった遺伝子断片は、ウィルス遺伝子全長の29309塩基のものは、まず存在しない。技術的に不可能。)病原体が身体に侵入しようとすれば、当然、防御反応が起きて、その病原体をズタズタにしようとする(酵素、活性酸素、免疫細胞などがウィルスを破壊する)はずである。
ウィルスが存在したという痕跡をもって陽性と判定し、さらに体内でのウィルス増殖の証拠もないのに感染者扱いするのは、医学的に明らかに間違っている。
感染とは、特にウィルスの場合、ウィルスが細胞内に侵入し細胞の資源や機構を乗っ取って、増殖を始めた段階を言うのであって、ただ口腔や咽頭に付着しただけの段階は、感染とは、呼べない。
一般に誤解されている特異度98%は、相補性の説明であって、PCR検査精度の話ではない。
何が言いたいかというと、AとU、GとCの相補的な水素結合は、ほぼほぼ100%近く精度があるが、そのことをPCR検査の精度と意図的に間違って情報提供されているが、実際は、様々な要因で誤判定が起こりうる。
(プライマーと検体遺伝子配列の結合は、技術的(微妙な温度、pHの調整など)な問題でごく稀に一個ぐらいの塩基配列が違っていても結合することがある。例えばAAAAAAAAAA~AAAというようにAを20個連続させたプライマーがあったとすると、これに結合する塩基配列は、TTTTTT~TTTのはずだが、1~2%の確率で間にG,C,Aが一個ぐらい入っていても結合することが起こりうる。この間違いが最初の方のサイクルで発生すれば、偽陽性となる。)
最悪な間違いは、Ct値の設定である。
単純に考えれば、1サイクル増加すれば、得られる結果は、倍になるのであり、国際基準よりも10回以上多いサイクルということは、2の10乗倍、つまり、1024倍の結果がでるということ。例えば、合計40サイクルするとして、29回目のプロセスで間違いが起これば1024倍の結果となるということ。
例えば、判定基準を1000倍の増幅とした場合、29回目に増幅が起きなければ陰性であったものが、その時一回だけ間違っただけで、そこから何回も何回も増幅されるので、結果1000倍を越えて陽性とされてしまうということ。
これは、PCR検査自体の問題ではないが、その利権にしがみついている連中がいるせいで、無意味な中和抗体の事ばかりが研究対象となり、一番重要な日本人のどのくらいが免疫記憶を保有しているのかという研究が滞っている。
以上、長くなったが、もっともらしい嘘や欺瞞を正そうと思ったら、どうしても言葉を多くせざるを得ない。
これからの時代を生きる人は、世間には、平気で嘘を言う連中がいるのだという前提の上で、何が正しいのかを自分自身の見識と情報収集努力で見抜く力を手に入れないといけない。そうでなければ生き残れないと肝に銘じたほうがいい。