「宇田川源流」【日本万歳!】 世界で話題の「はじめてのおつかい」が許される日本のすばらしさ
「宇田川源流」【日本万歳!】 世界で話題の「はじめてのおつかい」が許される日本のすばらしさ
毎週月曜日は「日本万歳!」をお届けしている。世界で絶賛されている日本人や日本のすばらしさをご紹介する連載である。
毎週月曜日になると、「ブルーマンデー」などといわれていて、土曜日・日曜日の自由な時を過ごしていたのですが、残念ながら月曜日からはまた働かなければならないということになる。その月曜日には、なんとなく会社に行くのになんとなく足が重いということになる。その時に、せめて日本人のすばらしさを自覚し、そのことを考えることによって、日本人としての自身を誇りを取り戻してもらい、そして少しでも仕事に頑張ってもらいたいと思ってのことであるということになる。
さて、日本人のすばらしさというのは、日本人の中の一人が素晴らしいヒーローがいるということではない。日本人の場合は一人がヒーローになるということは少なく、一つのチームや日本人の作る環境が、大きく作用して、その環境の中で最も良いパフォーマンスを上げるということによって、素晴らしい実績が素晴らしく上がることになるのである。
さて、そのようなことから見て、日本では「当たり前」に行われていることが、世界では「普通ではとてもできないこと」となっている場合が少なくない。日本では、「水がただ」「安全がただ」「情報もただ」というようなことになっており、繁華街であっても、女性や子供が一人で歩いていても、基本的には事件や事故に巻き込まれることは極端に少ない。そのように考えると、日本で「安全」であるという感覚で物事を行っても、他の国ではとても信じられないというようなことが少なくない。
今回扱っている内容も同じだ。「はじめてのおつかい」というテレビ番組がある。小さな子供が、子供たちだけで買い物に行くという番組で、途中で失敗したり、または買い忘れがあったりということで様々なハプニングがあり、ハラハラドキドキしながら、子供の成長を見るというものである。
テレビスタッフが、カメラをもって様々な角度から監視しており、特に安全に関して問題があるというようなことはなかった。日本人でその番組を見て子供の安全を問題視するような人は少ないのではないか。しかし、海外で同じ番組を見た人は、日本人とは異なる感性を持ったようだ。
「はじめてのおつかい」ネトフリ版が世界旋風…「恐怖覚える人も」
1991年に始まった日本テレビの名物バラエティー番組「はじめてのおつかい」のネットフリックスによる配信が3月末から、世界190以上の国で始まった。
子どもを巡る日本独自の発想が、各国の注目を集めている。(文化部 辻本芳孝)
■日本テレビの名物バラエティー、各国が注目
幼い子どもが初めて一人でおつかいをする姿をクルーが隠れて撮影するのがこの番組。国内では不定期で計74回放送され、世帯視聴率の最高は、96年1月の26・1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。今年1月の放送回も12・5%(同)と、根強い人気を誇る。
今回の取り組みは、デジタル化された2003年以降の放送分が対象。おつかいのVTR部分のみ各話7~21分にまとめた。
題名は「Old Enough!(もう大きいもん)」。日テレ海外事業部PR担当の志沢千尋さんは「海外の視聴者に関心を持ってもらえるよう日本語タイトルとは切り離し、子どもに寄り添った言葉で、番組の魅力を理解してもらえる題名にした」と説明する。
選ばれたエピソードは、3歳にも満たない鹿児島の男の子が1キロ先まで三つの物を買いに行ったり、宮崎の4歳児が、家族で働くミカン畑からミカンを持って自宅まで歩き、ジュースにして戻ってきたりと様々。
「説明しなくても世界中の方に楽しんでもらえるものばかり。日本の文化や風習に着目したものもあえて外さず、季節や風景・生活の中で子どもたちだけでおつかいに行くことがシンプルに伝わるものを選んだ」
■「サタデー・ナイト・ライブ」にも登場
配信直後から海外メディアが反応した。米CBSニュースは「重要な要素は、国内の治安の良さと、幼児の自立性に高い価値を置く子育て文化だ」と指摘。「米国では、そんなに幼い頃にお手伝いをさせるべきか議論になる」とし、「(米国なら)このリスキーな冒険には、ドキドキする人もいれば、恐怖を覚える人もいるだろう」とした。
「公共交通機関に幼児を託す日本のテレビショー」――。ぎょっとさせる見出しをつけたのは英ガーディアン紙。だが内容は好意的で、おつかいのルートを事前にチェックし、スタッフが子どもにこっそり同行することを細やかに説明。「子どもに自信を持たせ、心温まる内容」と評価した。
ネトフリ側も「本当の意味でユニークな作品こそ、文化や言語の壁を越えて世界で愛されることを改めて実感する」とコメントした。
配信での人気を受け、米NBCのコメディー番組「サタデー・ナイト・ライブ」では、女性が、恋人に化粧品などを買いに行かせるエピソードを放送。日本でもおなじみの音楽に合わせ、恋人が街をさまよう姿が話題となった。
■新たな現地版制作にも弾み
「おつかい」は以前にも海外で紹介されている。1990年代後半から東南アジアで日本の番組が人気になったこともあり、2000年には、シンガポールや台湾、香港などアジアへの番組販売を開始している。
また、海外の現地版制作権を許諾する「フォーマット販売」も07年のイタリアを手始めに、英国、ベトナム、中国などに行われている。現地版は国ごとに味わいが異なり、例えばシンガポール版では、俳優や歌手らの子を出演させて高視聴率を獲得。シーズン3の放送まで決まっている。
ただ、海外の注目度は今回の取り組みが断トツで、ネトフリの発信力を見せつけた形だ。4月の日テレ定例記者会見で、担当の沢桂一取締役も「正直言って期待以上の感触」と明かした。ネトフリ版の続編は未定だが、それでも既に海外の制作会社からは、現地版制作の申し出が新たに寄せられており、「おつかい」旋風はまだまだ続きそうだ。
■「¥マネーの虎」「そっくりスイーツ」…日テレ番組、現地版続々
フォーマット販売された日テレのバラエティー番組では、45か国以上で現地版が作られた「¥マネーの虎」が飛び抜けている。ほかに「全日本仮装大賞」なども人気を博した。
近年では、「ウルトラマンDASH」の企画「そっくりスイーツ」が米国とオランダで、ゲームバラエティー「音が出たら負け」がオランダで、それぞれ現地版が制作されている。
海外展開が進み、制作側にも好影響が出ているようだ。志沢さんは「制作段階から、海外展開の可能性を探る機運が高まり、結果的に世界で受け入れられる番組が増えている」と見ている。
2022年6月4日 7時4分 読売新聞オンライン
https://news.livedoor.com/article/detail/22280443/
おなじみの番組(その番組が好きか嫌いかは別にして)が、外国では全く異なる感覚で見られてしまうというのは、当然にその国の文化や環境によって異なる。例えば、ハワイなどアメリカの多くの地域では、子供を一人で家の中においておくと「児童虐待」になってしまう。子供を一人でいさせることそのものが「虐待」にせざるを得ないほど、危険が多く治安が悪いということに他ならない。日本のように、良心共働きで子供が一人で留守番しているなどということをすれば、すぐに児童相談所に子供が連れていかれ両親は虐待で逮捕されてしまう。そのような場所で子供を一人でお使いに出すなどは、正気の沙汰ではない。
そんなことを言わなくても、例えばスラム街では子供が一人ですでに働いていいるなどということも少なくないし、また、治安の悪い街では、子供が持っているお金を奪われるどころか、子供も誘拐されてしまうということになってしまう。そもそも、シリアや現在のウクライナでは、買い物そのものができないという環境であり、自宅にいても命が危ないような状態になっているのである。
そのような環境の人々にとって「子供が一人でお金を握りしめて買い物に行って、多くの人に助けてもらって、買った商品を持って帰ってくる」などということは、夢のまた夢であることは間違いがない。それだけ、日本は「治安が良い」しまた「子供が一人で買い物をしている時に、だましたりしないで、誠実に対応する文化」があるということになる。この治安の良さや子供などを助けてあげるという「やさしさ」が日本のすばらしさの一つであることは間違いがない。
米CBSニュースは「重要な要素は、国内の治安の良さと、幼児の自立性に高い価値を置く子育て文化だ」と指摘。「米国では、そんなに幼い頃にお手伝いをさせるべきか議論になる」とし、「(米国なら)このリスキーな冒険には、ドキドキする人もいれば、恐怖を覚える人もいるだろう」<上記より抜粋>
先進国といわれるアメリカであっても、このような議論になってしまい、また、議論になるという。まさに、その議論になるということそのものが、その国の文化が表れている。このように何気ないことを行うにあたっても、その前提となる条件があり、その条件をしっかりと見ておかないと、話にならないということは少なくない。日本は、そのような意味でも子育て、または買い物環境などでも非常に恵まれているということが明らかなのではないだろうか。
本当に日本は素晴らしい国なのである。