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星を繋ぐ猫達 《第8章⑩ 神城鬼伝説の謎》

2018.01.06 05:24

明けましておめでとうおめでとうございます。


昨年は、ありがとうございました。今年もよろしくお願いいたします。


さも、今回の画像は、昨年の個展で発表した、フラクラフトに乗る、猫沢さんとΣ達です。メルヘンタッチの作品で、展示中、好評でした。



それでは、お待たせしました。続きをお楽しみください。



《第8章⑩ 神城鬼伝説の謎》


翌朝、寅次郎博士達は、再び集合し、千寿氏の自宅に向かいます。


古民家を改築した小綺麗な家屋の周りには、何やら古い遺跡で見つかった道具や、建具らしきものが、無数に立て掛けてありました。 


「おはようございます。千寿さん」


寅次郎博士は、玄関先から呼ぶと、


「おはようございます。あれ、後ろの人達は?」


「おはようございます。隣の家の柏原です!」


「隣村から来た。門田です」


二人は、お辞儀をしました。


「彼等も、この村の歴史に興味ある者です。一緒に、お話伺っても良いですか?」


「あ、も、もちろんです。どうぞ、お上がりください。あの…」


「なんでしょう?」


「あなた方の後ろにいる方々も…ですか?」


寅次郎博士は、後ろにいた猫沢さんが見えている千寿氏に驚きました。


「あ、私達が、見えるんですか?」


猫沢さんは、驚いて答えました。


「はい、去年位から、よく見かけるから、気になってたんですよ」


千寿氏は、ニコニコしながら、何かを懐かしむように、猫沢さん達を、見つめます。


「はじめまして!私、猫沢と申します。猫の星から来ました!」


「ほー、猫の星からですか。すると…?シリウス辺りからでしょうか?遠い所から、地球へようこそ」


千寿氏は、ニッコリと微笑むと、猫沢さん達も、家の中へ招き入れました。


彼にとって、宇宙人の存在は、普通のようです。


「散らかっていますが…」


と、居間に通された寅次郎博士達、千寿氏は、お茶と…お祭りの御供えのお下がりを出しました。


「ありがとうございます」


この村では、お祭りの御供えを、皆で分けて食べる風習がある為、来客時などに振る舞われます。猫沢さんと、猫谷エンジニアにも、小さなお猪口に、お茶が注がれ出されました。 


日当たりのよい部屋は、明るく、ポカポカしています。


「わざわざ、来てくださってありがとうございます。あなた方は、何故、あの蔵に、興味を持たれたんですか?」


千寿氏は、不思議そうに、寅次郎博士達を見つめました。


「千寿さん、実は、私達は、神楽屋の先代から、あの蔵に関する伝言を受け取り、約束を果たす為に来たんです」


「約束…?」


千寿氏は、更に不思議な表情です。


「千寿さんは、昔、ここに住んでらしたと、村長から聞いています。この蔵について、何かご存じなんですよね?」


「あ、はい、確かに私は、幼少期に住んでいました…あの蔵には、私の先祖達が眠っています…」


「やはり、ご子孫でしたか」


「はい、私は、母親…いえ、先祖達との約束を果たしに、ここに帰ってきたんです…」


寅次郎博士達は、お互い顔を見合わせ、うなづきました。


確信したのです。


「それまで、松方さんの行動を阻止しなくてはなりませんね…」


寅次郎博士は、静かに、彼等の帰還を阻む村人の行動に注意を促しました。


「大丈夫です。昨晩、蔵の周りに、立ち入り禁止札を立ててきました。研究仲間達が、今日中に来てくれるそうです」


なんと、千寿氏は、いつのまにか下準備を終えていたのです。蔵の前には[民俗文化財発掘調査の為、立ち入り禁止]と書かれています。


「そうですか、それは良かった」


寅次郎博士達は、安堵の表情です。




その頃、例の蔵の前では…?


人だかりが出来ていました。松方さんが、怒りをあらわにしています。


「一体誰が、こんなもんを立てたんだ!」


真っ赤な顔で、近くにいた村長を睨み付けます。


「あんたか!?」


「いや」


「こんなもん、誰かのイタズラに決まってる!取り払ってしまえ!」


松方さんは、引っこ抜こうとしています。


「ちょっとまちなさい!

この札は、イタズラでもなんでもない、今朝、ここの研究所から連絡が入り、調査隊が来る事になってる。ここに住んでいた民族達は、とても優れた技術を持っていて、貴重な発見だそうです。しばらく、様子を見ましょう」


「だけども、鬼達が復活したら…村が再び襲われてしまう…」


村人達が、口々に騒ぎます。


「彼等が、伝説通り、本当に恐ろしい鬼なのか、知りたくないですか。松方さん、あなたは、実際に彼等の姿は、見ていないと言うじゃないですか…?見た事もない物事を信じているが、本当に、そう思えるのかね?」


村長は、松方さんの目をしっかりと見つめながら、語りかけます。


「わしは、じいさんや、ばあさん達の鬼伝説の話を聞いて育った、彼等は鬼だと言っていた、本当の話に決まっとる!拝み屋が、もうすぐ来るからな!」


頑固な松方さんは、曲げません。


「松方さん、キャンセルしてください」


いつも温厚で優しい村長が、荒ぶる松方さんを前に、ひるむ事なく、言い放ちました。


松方さんは、目を白黒させながら、問いかけます。


「村長、その間に、村が襲われたら、あんた、責任とれるのか?命がかかってるんだぞ!」


彼の後ろで「そうだそうだ」と、小さな声が聞こえます。


「全ての責任は、私がとります」


いっときの沈黙がよぎると、再び、ざわめきが戻りました。


村長は、集まった村人達を、無理矢理、解散させると、

散るように蔵から離れていきます。


松方さんは、村長を睨み付けながら、渋々と帰っていきました。


近くにいた、神楽屋の店主の火水斗(ひみと)が、村長のそばに立つと…


「親父、寅ちゃんから聞いたぜ、じぃちゃんの話…」


「あぁ…さ、行こうか」


二人は、蔵をあとにし、店に向かいました。




再び、千寿氏の家、


「と、ところで、寅さん…唐突な質問で申し訳ないんですが…?あの、変な質問とか思わないでくださいね…」


なぜだか、千寿氏は、緊張しているのか、言葉が震えています。


「はい、なんでしょう?」


[つづく]


 (※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】架空のSF物語を展開中です。


物語と共に、登場猫達の紹介や、作者と猫達との交流を中心に発表しています。


そんな楽しい猫の星の世界観第四弾を、東京.高円寺[猫の額]さんでの個展にて発表いたしました(^O^)


2018年の6月も、幻想の魚の秘密.第5弾を展示決定!お楽しみです。


猫沢さん作品の挿絵のポストカードは[猫の額]さんでも購入出来ますよ(^O^)


※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)


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