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Classic Music Diary

SCHUBERT: German Dances, Laendler, Ecossaises

2022.06.05 15:07

Liu Yang (Naxos) 

今でこそ歌曲王と称されるシューベルトだけれども、当時最も人気があったのは冬の舞踏会シーズン、私的なダンス・パーティーのための舞曲で、それでシューベルトは主な生計を立てていたそうだ。芸術としての音楽より実用的なダンス用音楽の方が出版社の引きが強かったということだろう。今ではそれ程聴かれることの多くないこの舞曲集というニッチなところを狙ってくるのはNaxosらしい。シューベルトはほぼこれらの曲をパーティーで即興で弾いたらしく、そこから気に入ったものを譜面にしたようだ。とても親しみやすいメロディで決してピアノ曲として難しい訳ではないが、リラックスした即興演奏でのシューベルトの歌心が自然な形で発露しているように思われる。一曲一曲はかなり短いがダンスが続く限り繰り返し演奏される。シューベルトの舞曲は500曲とも言われるが、ここでは最も多く書いたドイツ舞曲だけでなく、ドイツの田舎風ダンスのレントラー、またスコットランド舞踏のエコセーズを組み合わせてところどころアクセントを効かせたアルバムになっている。

2022-743