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F.J.ハイドン 弦楽四重奏曲 ニ長調 作品20-4 Hob.Ⅲ‐34《太陽四重奏曲第4番》

2022.06.05 15:07

当夜の幕開け、ハイドンの作品20-4を紹介いたします。

F.J.ハイドン

弦楽四重奏曲 ニ長調 作品20-4 Hob.Ⅲ‐34《太陽四重奏曲第4番》


こちらがその動画ですが、珍しい立奏です。

 弦楽四重奏はハイドンによって拓かれました。

 夜会などを盛り上げるBGM音楽で始まりましたが、ハイドンは芸術作品への可能性を見出し、当夜のこの曲を含む作品20(6曲集)はその最初の1里塚、弦楽四重奏史上、革新的な作品群となったのです。


 その内容とは?

 これまで、主に第1ヴァイオリンが旋律を歌い、他3楽器が伴奏に従事していましたが、4楽器による対等な会話様式が興り、曲構成にも大きな進歩を遂げたのです。


 この曲集と出会った17歳のモーツァルトは大きな影響を受けて、すぐさま《ウィーン四重奏曲集(6曲集)》を書き上げたのです。

 そればかりか、ハイドン自身も袋小路に入り、次作の弦楽四重奏曲までに10年近い期間を要としたほどでした。

 作品20―4は、ハイドンらしいユーモア、機知、高潔さに溢れています。驚くのは濃厚なロマンティズムへの傾きで、この曲だけでなく、曲集全てにおける《疾風怒濤》期のハイドンならではの大きな特徴となっています。


 こうした楽想はベートーヴェンの最初の弦楽四重奏曲集 作品18の下敷きとなり、当夜の2曲目である第5番と作品20‐4がすんなりと繋がることからお判りになりましょう。


 そして、第1楽章に要注目です。

 冒頭の「ト・ト・ト・トー」の4つの音からなる主題動機が全体を構成し、発展・拡大していきます。

 これは、ベートーヴェンが《運命》交響曲などで開花させたオハコ。

 それを30数年前に先取りしていたのですから、ハイドンは素晴らしい!