SELMER SERIE3(ジュビリー前)をGPにさせていただきました。
SELMER SERIE3(ジュビリー前) アルトサックスをGP※1 にリプレートさせていただきました。
※1 GP=ゴールドプレート=金メッキ
今回はBefore&Afterも踏まえてGPになるまでをご紹介したいと思います。
1 まずは完成したGPのアルトサックスです。↓
2 次に最初の状態です。この楽器はシリアル67万台なので2004年~2005年製、約19年前の楽器です。(2022年現在)
この年代のセルマーとしてはコンディションはそこまで悪くはないですが、ラッカーが剥げた個所の錆、管体の歪み、凹み、使用による傷がありました。
まず、管体の歪み、凹みを修正し、その後全てのパーツを分解します。キーだけでなく2番管とU字管も分解します。
その後タンポ、コルク、タンポ、針ばね等の消耗品全て外します。その後ラッカーの剥離を行います。剥離しただけでは綺麗に強くメッキがかからないため、研磨をして下地作りを行いました。この際、ベルにあった傷は目立たないように落としています。今回は浅かったので音に影響のほぼない範囲で落とすことができました。ただ、あまりにも深い傷の場合は研磨を多く行う必要があるため、見た目を取るか今のままの管体の厚さを取るかは要相談となります。
研磨が終わると、下処理を行いメッキ工程へ行きます。
3 メッキが完了すると、2番管とU字管を繋ぎ直して、フェルト、コルク、タンポ等々消耗品を新品に交換して組み上げ完了です。また組み上げの際は、楽器に求める点や演奏スタイル、理想の音色等々をヒアリングさせていただいて、タンポをはじめ組み上げに使うパーツはすべてお選びいただいて理想の一本を一緒に作り上げさせていただきます。
最後に、お渡しの際に対面で微調整を行い完了です。※郵送でのご依頼の場合でも再調整は1年間何回でも無料ですのでご安心ください。
今回もお客様にお喜びいただけて何よりでした。当店としても自信をもってお渡しできる仕上げりでした。
今回はGPでしたが、SPやPGP(ピンクゴールド)へリプレートも可能ですので、ぜひお考えの方はご相談ください!
↓余談ですが今回はご希望のカラーでネックに色入れをさせていただきました。
リプレートすると色が抜けてのっぺらぼうな?見た目になりがちですが、ちゃんと色を入れることで本来のルックスのままGPのサウンドをお楽しみいただけます。
※2022年6月8日追記
総額について、作業費は据え置きですが金相場の高騰の高騰により金メッキ自体の価格も大幅に高騰したため、下地の状況や仕様にも左右されますが75万円~110万円ほど費用としてはかかる作業となります。