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平成30年 迎春 初詣 ~箱根大神と木花之佐久夜毘売

2018.01.08 05:22

迎春!

というには、すっかり日が経ってしまい、本日は1月8日。
一応、関東(というか、江戸幕府における関八州圏)において、所謂「松の内」は7日までですので、本日はお正月と言うには遅くなってしまいましたが。
平成30年最初の投稿ということで...

本年の皆様の益々のご発展を年頭に祈念申し上げます。

しかし、筆者は本年の課題は山積しております。

まずは本業に於きましては、新しい事業を漸く昨年末に開始いたしました。
本来であれば、昨年の4月をスタートにしておりましたが、やはり新しいことを始めるというのは、当たり前のことですが容易いことではありません。

大体からして、この事業展開に関してのビジョンやアイデアは枯渇することがありません(なぜなら、それはベクトルが明確だからです。これは人生と同じです。偶然や奇跡はありません。蒔いた種しか芽生えませんのは自然の摂理ですので…)が、一方で、事業主としては、それを如何に社内、社員や、外部スタッフと共有していくかは大変難しい問題です。

そこに時間が掛かりました。

敢えていえば、その件に関しては現在でも共有しているとは言い難いのが現状です。
但し、そこが重要なのですね。
だって、自分でもつい5行くらい前で偉そうに言っているように、「蒔いた種しか芽生えない」ってことなんです。

つまり、きちんと然るべきところに種まきをしなかったのでしょうね??

場所も時間も違います。
そんな間違いや勘違い、確認ミスなどの積み重ねが、時として負の連鎖を生んでしまった結果になりました。

そして大事なことは、この新事業を始めて、数年後には現在の業務の7割を移行しないと、弊社は存続が難しいという現実なのです。
いや、多分、そんなことはなくって、五輪もあるので何とかなりますよ、って、楽観視が一番怖いのです。


筆者はバブルの真っ只中にいました。
バブルを謳歌しました。
そのお陰で身体も大きく、重くなりました。
ショートスリーパーになりました。
生活習慣病(当時は成人病)にも略すべて適合しました。
年収より(当時は宮仕えでした...)賞与の方が多いなんて年が数年続きました。
結婚式は海外でした。
投資もいっぱいしてました。
とにかく華やかに仕事して華やかに遊んでいました。

でも、バブルが終わって数年くらい経ったとき、はじめて、自分はキリギリスだって実感しました。

バブルの時期にその恩恵に授からず(関係なかったかたも)、その時期に只管学習と努力をした蟻さんは、バブルが終わってから、独立、起業して、みな一国一城の主になられておりました。

そのときにはじめて自分はバカだったなぁ...って、気づきました。

そして気が付けば、借金すらありませんでしたが、投資は殆どすべて逆鞘になっていて評価損。
筆者にとってはリーマンショックよりもこの時の方が痛手は大きかったと思います。

そのときにある意味悟ったのが、「蒔いた種は芽生える」って、これはオリジナルな言説ではありませんが、教訓として残りました。

自然の摂理が自らの人生の教訓になりました。

なので、大自然の動向は大いなる大宇宙の意志であり、そしてその意志にどう自らのあるべき姿を重ね、導かれていくかが、人生の羅針盤なのだということを自覚しました。


なんて、文章にすると立派に見えますが、実は、本人は失敗を繰り返しつつも、失敗を恐れず(というか恐れないのは良いのですが、そこからの学びが絶対的に足りないのですね)、そして有難いことに、いつも「試されます!」。

わたくしが感謝しているのは、この「試されている」ことと、それを自覚できる環境を頂いていることです。

ですので、昨年は試された一年だったという言い方が正しいのかもしれません。

あっと、これは年頭所感ではありませんが、実は、正月1日に朝4時に自然と目覚めて(高血圧という体内時計を所持しておりますので)、越年宿温泉の檜風呂にじっくり入れさせていただいて、すーっと頭に浮かんできたことをかいつまんで書かせていただきました。

〇箱根神社

昨年も書きましたが、あと数年で還暦になる筆者が、もっとも多く新年を迎えた場所が自宅のある東京ではなく箱根。
したがって、一番たくさん初詣に参拝させて頂いているのがこの箱根神社です。
最近では平成18年から12年連続で、この箱根で越年し、実はこの間はずっと、宿泊先で開催している宿泊客希望者のバスツアーに参加しております。
この方が大人数ですが、一同に修祓とご祈祷をしていただけるので楽になりました。
わたくしも元日の朝に祝杯を頂けますし...

最初は、家族4人で参加してましたが、長女が結婚して3人になり、ここ3年間は、家内とお互いの肉親(わたくしは父、家内は義母)と正月を迎えることとしたので、ついにそのバスツアーにはわたくし一人の参加となってしまいました。

ですが、このバスツアー、12年前に初参加したときと、ほとんどメンバーが変わっていないのですね??
なにか、まったくの他人なのですが、共に初詣ツアーに参加できたという安堵感や喜びを味わっているような気さえいたします。

日本人ですね...

一概に箱根神社と申しますが、こちらは色々込み入っております。
まず、基本は箱根大神をお祀りしております。この三神は、ニニギさま、コノハナサクヤヒメさま、そしてお二人の御子のホオリさまです。
実は、ここに大変不思議な「富士信仰」の謎が隠されているのです。

筆者は、昨年一年間に、古事記でいえば、「天孫降臨」から始まって「神武天皇」までしか進みませんでした。まさに、亀のような歩みです。
ですが、それには多くの理由がありまして、そのひとつは「天津神」と「国津神」の問題。さらに、天孫降臨の意義と場所。そして神武東征の謎でした。
ただ、そこには直接関係ない部分でたいへん面白い色々なことに出会いました。

簡単にいえば、「記紀以前」です。

記紀以前とは、古事記神話よりも前の話という意味ではなく、記紀編纂よりも先にあった文書の正統性と、その取扱いに関して、またさらにいえば、なにが書かれているのか?という事実です。

但しそのことに関しては、いま、このブログのスタンスで取り上げてしまうと、これを初めた意図が変わってしまう、あるいは自分でそれを見失ってしまうと思いました。なので、敢えてつっこんで触れませんでした。

ですが、今年は、少しずつ、そういうところも書いていきたいと思います。

そのはじめがこの箱根神社に関してです。
※「箱根神社」のご由緒等はこちらで...(平成29年初詣の記事)

〇木花之佐久夜毘売

ところで、コノハナサクヤヒメって、なぜ「富士山」なのでしょうか??

実はここに大きな謎があります。

コノハナサクヤヒメさまは、この「箱根神社」というより、「浅間神社」の「浅間大神」としての方が有名です。
ですが、なぜ、コノハナサクヤヒメさまなのでしょうか??
浅間大神も、箱根大神も、そしてさらに言えば、「富士山」も...

「富士山本宮浅間大社」はご神体が富士山で、祭神がコノハナサクヤヒメさまです。
ですが、コノハナクヤヒメさまはニニギさまの奥方さまです。
どうして富士山なのでしょうか??

実は、この謎を解く、ひとつの御伽噺があります。
よくご存じの「かぐや姫」です。
かぐや姫は月から来たことになっています。

本当でしょうか??

実はかぐや姫という名称の方が皇室にもいらっしゃいます。
迦具夜比売と申しまして、第12代景行天皇のお妃さまです。
このかたが、「竹取物語」のかぐや姫のモデルだという説がありますが...
(※この件に関してはいずれ本編の方でも触れるでしょう...)

筆者の解釈は全く違います。
かぐや姫は寧ろカグツチさまです。

カグツチさまを覚えていらっしゃるでしょうか??
そう、イザナキさまイザナミさまの神産みで最後にイザナミさまが出産された神さまですが、その際の陰部火傷がもとで、イザナミさまは黄泉の国に旅立たれます(余談ですが、筆者はこのときにイザナミさまも、またイザナキさまの憎悪の末切り捨てられたカグツチさまも「死」してはいないと述べました。神だからです。神は死はありません)。そしてカグツチさまを継いだのがカグヤです。理由は「音」が一緒です。

カグツチもカグヤも火を操っています。

その火力の恐怖と畏敬の対象が富士です。

古来、霊峰富士は活火山としてそれほどの威力を持っていたと思われます。
しかし、ここに、その火に打ち勝った女神が現れました。
それが、コノハナサクヤヒメさまです。

天孫降臨されたニニギさまに見染られてコノハナサクヤヒメさまは妃になりますが、すぐに御子を授かり出産となりました。
ニニギさまは、そんなに早く子ができる筈はなく、それはきっと別の国津神の子であろうと、サクヤヒメさまを疑われました。
そこで、サクヤヒメさまは「誓約」をされ、「天孫の子であれば、火の中でも無事に誕生するでしょう」と産屋に火を放ち、その中で出産されます。それが、ホデリ(海幸彦)・ホスセリ・ホオリ(山幸彦)の三兄弟です。

つまり、コノハナサクヤヒメさまは「火に打ち勝った」ということで、このカグヤの抑えとして浅間神社の祭神になられ、いまでも人々は霊峰富士をコノハナサクヤヒメとはいいますが、カグヤとはだれもいいません。
それは、二度と大きな大惨事を起こすような噴火を起こさないようにサクヤヒメさまが抑えになってくださっているからです。

実は、そういう信仰なんです。

それをきちんと残しているのが、この箱根大神だといえます。ですので、ニニギさまと、その後継者となったホオリさまもここにはお祀りされているのです。

ここにも、天孫の意義を継承しているといえます。


元日のこの日は大極(太極)から無限の光が溢れ出ておりました。

バスツアーという制限された時間の関係で、九頭龍神社本宮(新宮は箱根神社拝殿に並んでおります)と、元宮(駒ヶ岳山頂にあります。こちらは昭和になって堤康次郎氏によって再建され奥宮とされました。箱根大神と造化三神が祀られています)にも併せて参拝したいのですが、また、改めて...

本年は箱根神社の参拝数は例年に比べ多く感じました(並んでいる列の最後尾の位置で。わたくしたちは祈祷の時間が決まっているので直接脇道から拝殿へ...)。
参拝で同行した方の中から「初詣に人が多いということは景気がいいってことなのですかねぇ??」と話されておりましたが、寧ろ逆で、近年ではリーマンショックの翌年に、それまで低い数字で推移していたのが一気に膨れ上がっています。

やはり苦しいときの神(仏)頼みなのです。
寧ろ、近年は、パワースポットやスピリチャルの影響で参拝が多いのだと思います。

ですが、いつも申し上げますが、初詣は、新年を迎えた感謝と、一年の国の繁栄を願うためのお参りです。

そして、神さまは基本的に「大願成就」はいたしません。

もし、大願成就したいのであれば、寧ろ寺院にご本尊に併せて目標を定めてお参りくださいませ。

本年もよろしくお願いします。


芦ノ湖に戻りましたら、コノハナサクヤヒメさまは、例年より多くの参拝客に、お恥ずかしいのか雲隠れ。
代わりに海賊船が... 初笑