true point
久しぶりに、小説の続きを。
「天空の北壁」
加藤は目前の男に視線を奪われた。その30秒には、限りないシーンが広がった。長身の加藤は肩にやっと届く、その姿に気づき歩を止めた。赤石の下山に急ぐ中島は速度を上げた。
日本の危機は続き、六合は中島に会うために大鹿にいた。五月に入り気温は上がっているが、次期FXの構想はハングアップのままで六合でさえ意思を失っていた。エンジンの2案は平行線で、会議は自滅気味に残りの1時間は過ぎて行った。「全滅」が漂うが六合は次の段階への考案に移っていた。電話で唯一の意識である今村に指示を出した。
Z軸ジャイロのロックは初期の1200msecに固定して真トグルの可能性を1/20にまで減らせ方向での再スタートになる。満行の構想は視覚安定からは妥当だったが、決定する要因は特には指摘されずに次のプロシジャに入っていた。だが、1Gのバアイブレーションが30DBのゲイン間に付帯して取れずにシステムは残りの3週間を迎えていた。攻撃は一定の減少を見せていたが、交換条件は大きく連邦の意思の欠乏を予定し、入ってくる情報はもう25分で消えることは確かだった。あとは、中西の言うフリクションが安定起因に抑えることで、戦線は消えかけていた。2名が見る中で火線は消えて行った。だが、次の波状は予測を禁じえずに、3か月以内に、致命的打撃をこうむることは、明らかだった。
六合は機内でPCを打ち続け、関空へ1時間時に回答を得た。確認のシミュレーションに、OKが。安堵の汗の中で、機体は地上へランディングしていくが、医書の言う心筋の発作は、何時でもあり得た。
空自用のF3はベースのF2Aとは外観はともかくも、200%の複雑さを持つことになった。23年目の6TN-JFの納入時とは比較にならなかった。予想通り、敵のディザーは巧妙で、中西でさえ解析を放り出しかねずに第3波は終わった。
エントロピーゆえに起きた攻防は、更へのエントロピーの増倍を引き出していた。頼みはDISC内の資料で、もう昭島では最終段階に入り、遂にFXはF3Sというコードに、今村あたりは、勝利を確信できいそうに見えて、内心安堵が、琵琶湖畔の昭島事業所へ向かった。すでに中島の終戦へのコメントは送られて、2回のアービトレーションは通過、もうこれ以上の犠牲は無いと言えた。
6月の日本は再生の復興に静かに動き出していた。もう、敵機の映像は3パーセク以内には見えずに、NEW-HORIZON3のサーチには、ケーパーベルト以外は応答せず、ジュネーブの連邦軍の情報には、痕跡もなく1%にも満たない犠牲は、蘇生技術の実体化で、0.004%に抑えられた。だが、幻影は引くには人員の恐怖を引かせる方法に戸惑いが見られていた。「宇宙病」の蔓延には、心理治癒待つしかなかった。そんな折、中島は3度目の六合亭へ、美しい夜空は悲しくも星の降る静寂に、疑問を投げていた。
「なぜ、生きるのかね、」という言葉は、消えて、無言の報告は「神」の存在を否定はしなかった。開けられた南の戸はハロゲンの灯に浮かぶアシの黄を浮かべて、時折の魚の撥ねる様を。首都の本社は人事異動で急ぐかつての朋友の足音に包まれて、いたが。予測通り「宇宙病」の蔓延が拡大を始めていた。
「人が変わる、ということですね。」
3年前に中島は言わざるを得ず、高度な哲学を言う場は、終わりのない、不安の未解消へと進んでいった。
進化ではあったが、明らかに、心理的攻落は地球を包みだしていた。1万の友人を持つ二名には、無言のウィルヒョウが見えていた。保護されたモサザウルスはほぼ全糖太平洋へ。発案の天才は故国へ。12年ぶりに解放された、アルプスのルートへKODACのフィルムカメラは56枚の35mmが、大鹿村へB28の空洞に足を運んだ。いつも通りイタリアンレストランへ、しかし、今井香乃が偶然にも来ていた。奇遇は、考古心理学の解説ぬきでも、説明できた。
「山本さんは。」
「すぐ戻ってきます、ご無沙汰でした。」
ニッコウキスゲは一部開花で、斜面のオレンジにやや濃い湿度を。エンレイソウの花の白さにも目が行くが、ロックダウン前の状況に戻っている数値を見ることもなく、異常は無いが、何かを失っていた。
特異点を実際に持つことで初めてINSの構造をbaseの輻射計がJAYROと加速度計はプラットフォームにフェルマーの通路を作り、トラックゲートは留数化して複数のリーマン面の作るδFの矛盾から絶対零度の負の領域から正反フォトンの生成から再結合の間をサーチ、3Dの霧箱に粒子軌道の「フェルマー格子」上に検出窓を。クリチカルダンピングの量子化をsoftware上で行い基本的2進法とBCDの逆転で13個のリーマン面において、12種の座標の(0,1)の3進、7進の単純検出で、輻射口を構成するもので、完全なトモグラフィを持つものだが、すでにNASAでの実験は始まっていた。
中島は香乃に言うべきか迷っていた。「高度数学の素質」は知っていたが、孤独な生き方に連続的に惹かれることを恐れていた。娘の年齢に当たることは、非常な負担だった。結果はほぼ目的を達していた。
香乃に伝えるべきかは、すべて、中島に任されていた。
北海道、礼文島。二人はほぼ完成した、systemを眼前に見ていた。後ろには利尻富士が。
種子島宇宙センターと最も遠いここは、実際には、隣接している感覚があった。白銀の利尻富士は、未だ未踏峰だった。