書道講義② 紙ができるまで
私「前回やった最古の文字は何ていうんだっけ?憶えてる?」
生徒さん「こうこつもじー!」
私「そそ、甲骨文字って、何に書いてたんだっけ?」
生徒さん「かめのこうらとかー、牛のほね!」
偉いっ!ちゃんと憶えていました。
今回は「その後、紙ができるまで人は何に字を書いてきたのか?残してきたのか?」というテーマでお話ししました。
昔、紙がなかったことをあっさり認識していた子どもたち。紙は、紀元前2世紀頃中国で発明され、その後1世紀頃からたくさん作られるようになったといわれています。紙ができるようになったとはいえ、大変貴重なものに違いありませんでした。
私「紙が簡単に手に入るようになるまで、何に書いてたと思う?」
生徒さん「地面!」「石!」「壁!」「木!」
考えて意見を出す時の威勢のいいことといったら(笑)ほんとに鋭い感覚をお持ちの子たちです。「正解!」といった時のドヤ顔、思わずこっちも楽しくなります。
地面も壁も、おそらく正解でしょう。ただ残っていないだけ。「石」も「木」も大正解。
なかなか出なかったのが青銅器、当然ですね、現代こんなことを日常する人はいませんから。古代では、祭祀や盟約のために造られた青銅器に、その内容などが鋳込まれていました。それを「金文」といいます。石は「石鼓文」。それらを見た生徒さんたち、直ちに読める字を見つけていきます。早いっ!
今回の謎解き、なぜ本は「冊」、漫画は「巻」で数えるのか?
それは木に書いた「木簡・竹簡」に由来しています。
中国では、成長が早く大量に確保できた竹が適していたのでしょう。竹を幅約1㎝ほど、厚みも薄く整え、墨と筆で字を書いていました。間違ったら刀で削ってなかったことに。それを紐でまとめた形、それを象ってできた文字、それが今の「冊」です。
「典」や「編」もそれから派生した漢字、昔の書物は竹簡を丸めて保管していました。長い読み物はその巻きがいくつにも渡っていたのでしょう、だから「巻」。
「巻」を「かん」とは読めても、六年生で習う漢字「巻」、訓読みがわからなかった子どもたち、これは「まく」とも読むよというと、「あああーーーー!まく!竹を巻いてたんだ!」と納得。
そして最後、絹布に書かれた字、楚の帛書「長沙子弾庫戦国楚帛書」をプレゼント。当然周囲に書かれた神獣にくぎづけ。その奇妙かつ愛らしい風体から、古代の人に思いを馳せ、そのユーモア性に親しみを感じてくれることを期待して終了。
幼いころにできるかぎりいろんなものを見てもらいたい、知らないことを知る、それは単純に喜びです。さて、次回は何にしよう。。。
青銅器 帛書 竹簡ほか
竹簡