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高炉の解体 0004

2010.01.21 15:00

高炉の最上部から、石炭を乾留したコークスと、粉状の鉄鉱石を焼き固めた焼結鉱を投入します。

高炉と、サイロのように並んだ熱風炉が見えています。

熱風炉で作られた1200℃の空気を、高炉の裾の、羽口(はぐち)という穴から送り込みます。

 

銑鋼一貫生産の製鉄所は、日本に15ヶ所ほどしかありません。

高炉で鉄鉱石とコークスから硬い銑鉄(iron)を作り、

転炉で炭素を除去して柔らかい鋼(steel)に仕上げ、

鍛造と圧延を経て、製品として出荷します。

その製鉄所の一つが、千葉のJFE工場でしたが、2009年に解体されました。

 

     高炉は、鉄鉱石から銑鉄(せんてつ)を取り出します。

     鉄鉱石は、鉄が酸素と結合していますので、鉄サビの塊りのようなものです。

     高炉では、一酸化炭素によって酸化鉄を還元して、酸素を奪います。

 

     取り出された銑鉄は、酸素の代わりに炭素と結合しています。

     炭素のたくさん混じっている銑鉄は、硬くて割れやすく、

     型に入れて成形すると、鋳物(いもの)と呼ばれます。

     銑鋼一貫生産の製鉄所では、高炉から出て来た溶銑を冷やさずに、

     高温の液体のまま転炉に入れますので、鋳物は作りません。

 

     転炉では、溶解したままの銑鉄に、酸素を混ぜて、炭素を取り除きます。

     炭素の少ない鉄は、鋼(はがね)と言われ、柔らかく延びやすくなります。

     解体されたJFE第五高炉では、鉄鉱石から取り出された銑鉄を、

     アツアツの液体のまま転炉に送り、鋼鉄製品に仕上げていました。

 

川口市に多いキューポラ(銑鉄溶解炉)とは違います。

キューポラでは、個体の銑鉄や屑鉄を材料にして、湯と言われる溶銑(ようせん)を作り、

湯を鋳型に入れて、鋳物を作ります。

転炉では、溶けたままの銑鉄から鋼鉄を作りますが、

キューポラでは個体の銑鉄を溶かして、鋳物を作ります。