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茨のように白きローラよ 156 過ぎ越し

2010.07.03 15:00

マスカーニ Pietro Mascagni の、

"カヴァレリア・ルスチカーナ Cavalleria rusticana" の

       トゥリッドゥの歌うシチリアーナ siciliana

【 O Lola,bianca come fior 】茨の花のように、白いローラよ

 

シチリアーナって、6/8拍子や12/8拍子の、

シチリアの民謡というか、踊りのリズムです。

サンバとか、タンゴとか、ワルツとか、そういう類です。

デルモナコの声で、踊れるかしら。

 

ベリズモオペラの走りで、1幕ものです。

舞台裏で歌いますので、

大きな声でないと、観客に聞こえません。

幕が開く前に歌うのと、開いてから歌うのと、

演出に色々ありますけれど、

姿を見せずに舞台裏で歌うのは、共通しています。

遠くから聞こえてくる雰囲気ね。 

 

白い肌、赤い唇を讃えて、

それから、扉は血塗られているが、

それでも構わない、逢いたいと歌います。

扉は血塗られているって、

旧約聖書の、ユダヤの過ぎ越しの話のことを、言っています。

もとは、メソポタミアの、春分の日のお祝いの慣習に、

ユダヤ人が、創作神話を事寄せたものと、思いますけれど…

 

要するに、家から出るなと神様に言われているのに、

人妻を、家から引っ張り出すことを、歌っています。

神の罰を受けてもいい、それほど好きだ、逢いたいってね。

 

マリオ・デル・モナコは、

むかし、NHKのイタリア歌劇団の公演の時に、来日しています。

NHKのイタリア歌劇って、毎年毎年ありましたけれど、

デル・モナコが休演して、

若手のプラシド・ドミンゴってのが出てきたことがあります。

デルモナコは、太く輝く声でしたけれど、

ドミンゴは、固い声に聞こえました。

 

デルモナコ休演ってのは、そういうヤラセね。

主役が風邪で休んで、急遽、新人が代役で出たところ、

好評を博したっていうハナシを作るために、わざと、そうします。

デルモナコの後継として、ドミンゴが選ばれたってこと。

それを、お客さんに披露しました。

 

デルモナコのほうが、体が小さかったから、

力が入らずに、声が緩かったみたい。