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白馬岳 160 代掻き馬

2010.07.07 15:00

白馬岳ですけれど、黒い岩肌が、うまく馬に見えます。

6月頃に見えるそうですけれど、そんなに遅いのかしら、代掻き。

 

白馬は、しろうまって、読みますけれど、

今は、はくばと、読むことが、よくあります。

 

代馬なんです。

しろって、苗代(なわしろ)とか、糊代(のりしろ)とかの、「しろ」で、

場所って意味かしら。

お城の「しろ」も、そうですけれど、

白い色ってのが、そもそも、空間的な余白って意味のようです。

時間は「ま」、空間は「しろ」ね。

 

春の山は、麓から見ると、雪解けの形が、切り絵のように、

毎年、決まって、奇麗に浮かび上がります。

雪の残っている所の形もあれば、

雪が溶けて、地肌の現れた所の形もあります。

 

白馬のしろは、田んぼのことを言っていて、

代馬(しろうま)って、田んぼを耕す農耕馬です。

 

春に、土の表面を、深さ20cmぐらい、ひっくり返して、

空気を入れて、柔らかくします。

冬の間に、土が、かちかちに固まっていますから、

表面を柔らかくしてあげないと、作物は育ちません。

田んぼの土を耕すための、

船の錨(いかり)みたいな、鶴嘴(つるはし)みたいな道具を、

犂(すき)と言います。

これを引っ張る馬が、代掻き馬、しろ馬ね。

 

人間の手で、田畑を耕すときの、鋤(すき)とは、形が違います。

昔は、木製でしたけれど、鉄製になったのは、明治になってからです。

これが鉄にならないと、広い原野を耕せませんので、

日本の農業は、先祖代々の、

石ころのない、木の根っこのない、柔らかい土地を、

大切に守って来ました。

 

白馬の代掻き馬は、春になり、雪の解けた岩が、黒く表れて、

麓から、黒い馬の形に見えましたので、

その山を、しろ馬と呼ぶようになりました。

代掻き馬の雪形が表れるのを見て、

お百姓さんは、田んぼを耕す季節を知りました。

 

とまあ、昔のNHKテレビは、言っていましたけれど、

代掻き馬が現れるのは、6月ですから、

そんなに遅く、田んぼを耕すことは、ありません。

なんとなく、こじつけ説みたいな…

 

それに、この wikipedia の写真。

彩度が、どぎつくて…

そうかと言って、昔に撮った写真を引っ張り出して来て、

プリントをスキャンするのも、面倒なので。