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イワナ 188 さかな釣り

2010.08.04 15:00

これは、イワナです。

 

子供の頃、魚釣りに行くと、

ハヤと言われるオイカワや、イワナの類や、

ヤマメと言われるサクラマスなどが、釣れました。

朝、4時頃に、叔父さんと一緒に、川に行き、

川岸の雌竹を切り、釣り糸と針を結びます。

浮きや重りは、ありません。

 

瀬の石ころをひっくり返して、トビケラの幼虫を捕まえます。

毛翅目(トビケラ目)の蛾ですけれど、

幼虫は、イサゴとも言われて、長さ3センチ、太さ5ミリぐらいで、

水の中に棲んでいるの。

写真で数えると、頭や胸も含めて、体節数が13個かしら。

足と尻尾の先に、鈎(かぎ)があります。

口から糸を出して、渓流の石ころの裏側に、

小さな砂粒を、鞘みたいに固めて、巣の中で暮らしています。

 

トビケラを100匹ぐらい取って、空き缶に入れます。

胸から、おなかに、釣り針を刺して、

川の中の、大きな岩の向こう側に、ポトンと落とします。

人間が顔を出すと、逃げてしまうので、

姿を隠して、お魚の居そうな所に、知らん顔をして、落とすの。

 

すると、5秒ぐらいで、ハヤが掛かります。

釣り上げると、その辺の、雌竹や笹の先を、1mぐらいに切り、

お魚の鰓(えら)から口を、突き刺して、持ち歩きます。

一ヶ所で、4、5匹、釣り上げると、もう、釣れなくなりますから、

10mぐらい、上流に移動します。

 

一時間で、百匹ぐらい釣れます。

ほとんど、15~20センチぐらいの、オイカワですけれど、

なかには、20~30センチぐらいの、イワナやヤマメも掛かります。

オイカワ(ハヤ)は、コイ科ですけれど、

イワナやヤマメは、サケ科ですので、おいしいの。

 

オイカワは、夏に繁殖しますので、

雄のお腹や鰭(ひれ)が、オレンジ色を帯びて、奇麗な婚姻色になります。

 

イワナは、サケと同じように、

川で繁殖して、海で育ちますけれど、

水の冷たい海でなければ、生きられません。

氷河期に、海に降りていたイワナも、

北陸地方や関東地方よりも南西では、

川に留まったまま、一生を終えるようになりました。

 

それぞれの川で、孤立したグループが生き残っていますので、

川によって、特徴が少しずつ違いますけれど、

最近は、絶滅しそうな感じかしら。

わたしの記憶では、瀬のほうが、

夏のマス(イワナやヤマメ)は、よく釣れたと思います。

 

100匹ぐらい、釣ると、腹わたを取って、塩をして、

その場で、何匹か、塩焼きにして食べます。

残りは、ビニール袋に入れて、持ち帰り、

朝御飯の、お土産にするの。

お日様が出てくると、もう、釣れません。

 

こんなのって、年長の人に教わって、

わたしも、子供に教えました。

子供は、孫に教えています。

 

要領のいい手順があるから、

知らないと、自分で工夫できるまで、何時間も何日もかかります。

辛抱して、粘り強く、生活の知恵を、開発できるかしら。

自転車のパンク修理でも、本を読めば、簡単にわかりますけれど、

本もなく、誰にも教えらずに、一人で工夫するって、

たぶん、物凄い時間が、掛かかります。

なんの成果もないのに、懲りずに、黙々と細工する人って、

滅多にいないと、思いません?

 

GIDの子って、人に教わるのを、拒否しているのかしら。

中学生になると、自分は本を読んで、好きな事を知るから、

イヤな大人の言うことなんか、頭を下げて聞く必要はないって、

たかを括っているみたい。

頭を下げるぐらい、お安い御用だから、

人の流儀を聞いたほうが、得なのに。

大切なことは、不特定多数の人に、なかなか、教えてくれません。

師匠から弟子に、直伝ね。

 

知識だけでなく、いわゆる人脈も、お金も、伝承されます。

親から子へって、いちばん大切な、文化の継承ですけれど、

それを拒否して、自分だけで、せっかく獲得しても、

子供がいなければ、伝える人もいません。

むなしさが一杯ってことにならないように、

海に出て、大きく育ってください。

イワナやヤマメなどは、陸封型よりも、降海型のほうが、

2~5倍くらい、大きな体に育ちます。

人間で言えば、広い心かしら。