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ウメ 366 感情

2011.02.03 15:00

梅の香りは、落ち着きます。

上品。

八重野梅って、書いてありましたけれど、やばいのかしら。

 

 

感情の仕組みを、尋ねられました。

人間特有の自我機能の、原形になりましたけれど、

哺乳類に共通の、情報処理システムです。

他の個体に、情報を伝達するための、

文化的な、共通のコミュニケーションの規格を使い、

体の内側の情報を、整理して編集するシステムです。

 

哺乳類では、出産後の育児のために、

わが子という他の個体とのコミュニケーションが、必要でした。

もとは、自分の体の一部でしたけれど、

未完成のうちに、二つに分かれました。

哺乳類って、お乳をあげないと、育たないもんね。

  

みんな同じ一つの動物から、枝分かれして進化した血縁ですけれど、

同じ生物の種類って、生殖可能です。

もしかしたら、同じ属ぐらいでしたら、生殖可能かもね。

お互いに、生殖不能になれば、絶対に別種です。

これは、定義ね。

 

他の個体と、コミュニケーションをするって、

他の個体の、記憶や情報処理の仕方を、

自分の体の内側の、記憶や情報処理の仕方のように、

使用するってことです。

楽チンなの。

 

他の個体との、共通のコミュニケーションの規格によって、

自分の体の内側の、手持ちの情報まで、整理編集してしまうって、

画期的でした。

共通のコミュニケーションの規格って、文化と言われる種類の情報です。

親から子へ、個体から個体へ伝えられて、後天的に習得される情報なの。

 

こういう得体の知れない情報によって、

体の内側の、生まれつきの情報や、器質的な情報や、

自分自身の経験情報などの、

由緒ある情報まで、整理されて編集されるってのが、画期的でした。

 

刺激に対して、反応する方法なんか、

ウイルスや白血球みたいに、無意識の自動行動で、間に合いそうなのに、

わざわざ、他の個体とのコミュニケーションの方法によって、

他の個体の事のように、自分の体の内側のことを自覚するって、

広く、他の個体の経験情報を利用するだけでなく、

文化っていう、どこの馬の骨か、わからない情報によって、

機械的な仕組みを裏切ってまで、脳の神経細胞を変化させるためなの。

 

生物は、意図的に新しい判断なんて、できません。

新しい判断って、機械的な間違いによる誤動作です。

 

機械的な間違いって、

遺伝して、機械として固定されている間違いだけでなく、

接触不良みたいに、うまく作動する時もあれば、

全然、作動しない時もあるような、機能的な間違いもあります。

器質的には、間違いを発見できません。

統合失調症やGIDみたいなものね。

 

人それぞれに、生まれつきの機械が違うので、

他の個体の持つ経験情報を使えば、自分の機械的な判断を、裏切れます。

文化って伝えられますから、お母さんが子供に教えます。

 

脳味噌の神経細胞って、3才頃まで、増殖するの。

その頃までに、子供に教えると、脳のハードウェアのプログラムを、

文化によって、作ることができます。

 

3才を超えても、脳の神経細胞って、

よく使えば、樹状突起の先端の、神経伝達物質の受容体の、

開口部の面積が広くなります。

樹状突起の茂りかたも、密になります。

 

よく使えば成長するって、御本人の判断で、よく使うのでしたら、

生まれつきの機械の仕組みを、裏切れませんけれど、

他人の差し金によって、

無理矢理や催眠術のように、よく使わされる羽目になると、

御本人の機械の判断とは、違う方向に成長します。

 

みんなと、コミュニケーションすれば、

他人も身内も、一蓮托生なのに、

人間って、動物の感情の機能と、一線を画して、

自我機能ってのが、雨後の竹の子みたいに、よく発達しました。

 

もちろん、フェロモンに動かされるような、

発情期や生殖の自動行動が、退化したこともありますけれど、

自我機能が、決定的に、感情のシステムと違うのは、

生まれつきの、逃れられない機械の判断を、

他人の経験や文化などを弄(ろう)して、

はっきりと、裏切ろうと自覚したことです。

 

端的に言うと、病気やキチガイを、大切にするようになったの。

だって、機械を裏切れるのは、それしかないもん。

進化の原動力を、明確に知ったことが、

わざと病人ばかりを選んで来たような、人間の歴史に、

はっきりと、残っています。

お釈迦さんやキリストさんの考え方ね。

 

     神経細胞と神経細胞の間の、シナプスって、

     電気っていう波動が、

     神経伝達物質っていう物体に、変換されるところですけれど、

     神経細胞の、軸索の尻尾の先に、

     神経伝達物質の、放出口と、再取り込み口とがあります。

     シナプスの、神経伝達物質の量を、調節しているの。

 

     神経伝達物質を受け取るのは、他の神経細胞の、

     樹状突起の先っちょの、受容体です。

 

     神経伝達物質は、できるだけ少ない量を使って、

     情報量を加減できるのが、合理的なの。

     神経細胞って、何度も情報が伝わって、よく使うと、

     受容体の形や数や大きさが変化して、手広くなりますから、

     少しの神経伝達物質でも、

     ちゃんと受け止めることができます。

 

     統合失調症の人では、受容体の性能が悪いの。

     原因は、わかりません。

     たくさんの量の神経伝達物質を、

     軸索のほうから、放出しなければなりません。

     時間がかかります。

     感度が低いので、ドパーッと、放出してしまいます。

 

     時間がかかって、やっと樹状突起の受容体に、

     神経伝達物質が嵌(は)まります。

     これで、用が済んだので、今度は、

     シナプスに溢れている神経伝達物質を、

     片づけなければいません。

 

     軸索のほうの、再取り込み口から回収しますけれど、

     たくさん出したものだから、回収にも時間がかかります。

     その間も、どんどん、

     受容体に神経伝達物質が、キャッチされて行きますので、

     過剰に反応してしまって、

     神経細胞の機能が亢進したままになります。

     電気が流れっ放しの、やりすぎになるの。

 

     統合失調症では、

     神経伝達物質にドーパミンを使う大脳辺縁系の神経細胞が、

     機能亢進します。

     大脳辺縁系って、

     哺乳類に共通の、感情のシステムを作った張本人ですから、

     ここの神経細胞の機能が亢進すると、

     感情が興奮するってことね。

 

     抗精神病薬っていうお薬を使うと、

     受容体に、抗精神病薬が嵌まり込んで、

     ドーパミンが、受容体と接触するのを、邪魔します。

     興奮が鎮まるの。

     こういうお薬を、アンタゴニストって言います。

     ドーパミンアンタゴニスト。

 

     反対に、受容体に嵌まると、ドーパミンの代わりに機能して、

     興奮しっ放しになるお薬もあって、

     ドーパミンアゴニストって言います。

     パーキンソン病の人の飲むお薬。

 

     統合失調症が、感情の機能の病気って、わかります。

     感情のシステムって、自我機能の土台になりましたけれど、

     ここから先、側頭葉や、前頭葉などの、大脳の新皮質や、

     大脳基底核の症状などは、

     ドーパミンだけでは、説明不十分になり、

     一筋縄では行きません。

 

     お薬が、陰性症状や、妄想の確信などには、効かないの。

     妄想や幻聴の内容を、実行に移さないように、

     興奮が鎮静されるしか、

     抗精神病薬には、期待できないかも知れません。

 

     基底核や視床や海馬には、フィードバック機能があります。

     実行の現状を観測して、意志をこまめに修正する機能ね。

     意志と実行を、一発勝負で決めたりはしません。

     瀬踏みするように、試行錯誤するように、調節します。

 

     現在の実行の状況を知らなければいけませんから、

     感覚器官からの情報が入ってきます。

     意志を調節しますから、

     言葉や思考によって意志を決定する新皮質からの、

     情報が入ってきて、出て行きます。

     実行の具合を、筋肉の動作や化学物質などによって、

     調節しますから、

     運動神経や自律神経や、ホルモンの分泌腺などに、

     情報を出力します。

 

     基底核や視床や視床下部や海馬などを、使うの。

     ひょっとしたら、GIDでも、

     海馬や視床が酷使されているかも。