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星の流れに 374 昭和22年

2011.02.11 15:00

 

 【星の流れに】

 唄 : 菊池章子

 

焼け跡に、闇市が立った1946~1947年頃は、

わたしの時代でありませんけれど、

初めて、性転換医療に関わった1970年頃に、

SRS(性転換手術)を受けたMtF(male to female)の人たちを

率いていたのは、

この唄の時代に、青春を過ごしたオカマの人たちでした。

 

終戦直後の早くから、エストロゲン製剤を使い始めましたけれど、

再び戦争になりそうな雲行きでしたので、

去勢を思いとどまっていたそうです。

池田首相の、所得倍増計画の高度成長時代になり、

当分は戦争がないと、確信できたそうです。

 

その頃になると、わたしと同世代のMtFの人たちが、

次々に、SRSを受けるようになりました。

 

この唄は、わたしの時代でありませんけれど、

わたしには、性転換を象徴する唄のように、聞こえます。 

当時は、娼婦になれれば、上々でした。 

 

売春婦未満の、極貧の生活から、身を起こすためでした。

高度経済成長で豊かになったはずなのに、

終戦直後の貧乏に、取り残されたような人たちが、手術を受けました。 

 

心の性別という絵空事のように奇麗な性転換は、

もう少し後の、オイルショックになってからと、記憶していますが…