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ハナミズキの実 612 溶鉱炉に帰りたい

2011.10.17 15:00

花水木(はなみずき)の実です。

赤い実が、束になって付きますけれど、

 

 

中学校の教科書に、水を電気分解すると、気体が出てきて、

蝋燭(ろうそく)の火を近づけると、

一方の電極のほうの気体は、ポンッて爆発するから、

水素ができて、

もう一方の電極のほうの気体は、火が激しく燃えるから、

酸素ができたと、わかりますって、書いてあるの。

 

嘘こけ。

なんで、そんなので、わかるの。

どう考えても、わかるわけがありません。

嘘八百です。

 

こんなの、精神医学よりも、ひどい。

誰も文句を言わないから、世界は救いようがない。

首を傾(かし)げて、ねじ切れてしまいます。

中学生の時から、そうでした。

 

これは、何か知らないけれど、泡(あわ)が出てきて、

一方は爆発して、もう一方は燃えただけでしょう?

 

何故、爆発したり、燃えたりしたのかも、わからないし、

水や、水素や、酸素って、

少なくとも、今のところ、それに矛盾しない、というだけです。

同じことを、何十回もやってみないと、わかりません。

ちょっとずつ、手を変えて、また何十回も、やってみるでしょう?

 

電気って何か、目に見えないのに、わかるわけがありません。

物質なんか、心って言うのと同じぐらい、形而上学なのに。

 

わたしなんか、目で見て、手で触って、

こうしたら、こうなるってことしか、信じません。

中学生の頃、毎日、午後8時ぐらいまで、理科室にこもって、

一人で実験をしていました。

毎日でしたので、学校の先生に、東京大学へ行け、と言われました。

中学から大学に、行けるわけがないのに…

 

ロケットを作りたかったので、

燃やして爆発させることが、大好きでした。

スーダンでも、ロケットが飛んで来たし、

アフガンでも、鉄砲の弾ばっかり、飛んで来ました。

石油や製鉄も、燃やす仕事です。

 

コンピュータや医療なんか、女の仕事と言われましたけれど、

うちの親戚はケチなので、これしか、させてくれませんでした。

福祉なんか、やくざばかりですので、

近づくと危ない、と言われました。

 

山や海や、地面や工場の、面白い仕事は、ぜんぶ、

男が独占しているの。

女は溶鉱炉でしゃぶしゃぶを作って、

コンピュータで脳味噌を輪切りにするだけ。

ただの事務員。

 

精神科医になったほうがましだーって、

言わないほうがよいと思います。

 

「女の子だから、なってもいいよ」と、言われました。

ロシアは、女性の医師が多いのですけれど、理由がよくわかります。

 

力の強い男が、一杯いないと、安心できません。

秋になり、寂しくなると、故郷(ふるさと)に帰りたくなります。

わたしは、溶鉱炉の生まれです。

火が燃えているって、生きている証拠ですけれど、

病院は、死体を燃やすと、怒られます。