Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

ミツマタ 709 紙は糸偏(いとへん)

2012.01.28 15:00

三椏(みつまた)は、まだ蕾(つぼみ)。

今年は、寒いみたい。

あたりまえですけれど。

 

変(へん)な漢字は、木の又の意味です。

枝が三つに分かれますので、又も三つ。

人間の下半身は、足が二本ですけれど、又は一つ。

 

三椏(みつまた)って、ジンチョウゲ科ですから、

花の形が、沈丁花(じんちょうげ)に似ています。

まだ蕾(つぼみ)ですけれど、

ビロードのような優しい花が咲きます。

 

雁皮(がんぴ)も、ジンチョウゲ科でして、

夏に、似たような花が咲きます。

三椏(みつまた)も、雁皮(がんぴ)も、和紙の原料です。

 

植物の形成層の外側の篩部(しぶ)の繊維(せんい)って、

強靱(きょうじん)なので、靭皮(じんぴ)繊維と言われています。

 

草本の、苧(からむし)や麻(あさ)は、

茎から、篩部(しぶ)を剥(は)がして、

一本一本の靭皮繊維を解(ほぐ)して、取り出して、

何本かの繊維(せんい)を、一緒に捻(ねじ)り合わせて、

経(た)てに、細長く繋(つな)げるように、

次々に継(つ)ぎ足して行きます。

糸を紡(つむ)ぐって、言います。

 

茎から繊維を、

容易に剥(は)がしたり、解(ほぐ)したりするために、

蒸(む)したり、叩(たた)いたりします。

 

木本の、楮(こうぞ)や三椏(みつまた)は、紙(かみ)にします。

繊維(せんい)を適当に短くしてから、

アルカリ性の木灰(きばい)や、人工の化学物質などと一緒に、

よく煮沸(しゃふつ)します。

 

繊維を溶かし過ぎないように、ほどよく柔らかくしてから、

パルプでしたら、リグニンを洗い落としますけれど、

和紙には、不要な工程です。

 

黄蜀葵(トロロアオイ)や澱粉(でんぷん)や

ポリアクリルアミドなどの、粘着剤を加えます。

簀(す)の入った木枠(きわく)で漉(す)くいますと、

紙の出来上がり。

 

黄蜀葵(トロロアオイ)って、アオイ科の植物です。

綿(わた)とそっくりの、奇麗な花が咲きます。

ポリアクリルアミドは、化学糊(のり)ってやつ。

 

リグニンは、植物の細胞壁にくっついて、

木材のように固くする物質です。

普通の木材から、大量の紙を作るには、

化学的にリグニンを除去(じょきょ)して、柔軟にします。

 

楮(こうぞ)や三椏(みつまた)の

靭皮繊維(じんぴせんい)の細胞壁には、

長く伸びるセルロースが多く、リグニンが少ないので、

手間暇(てまひま)をかけて、良質の原料だけを選択すれば、