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鳳凰古城 867 知り合いの民族

2012.07.05 15:00

湖南省の苗(みゃお)族の町です。

いま、大雨の増水のせいで、水浸(みずづ)かりになっているそう。

 

これは、少し前ですけれど、インターネットでコピーしました。

洪水の前の写真ね。

検索して、同じものを見つけ出すのが面倒なので、

このまま、貼り付けておきます。

 

湖南省の新聞社の写真と記憶していますが、見つかりません。

 

 

6月から、中国南部は大雨ばかりです。

南部って、上海と重慶を結ぶ線よりも、南ぐらいかな。

長江流域を含めて、それより南ってことですけれど、

気候や地形や土壌が違うだけでなく、昔の言葉が違います。

 

今は、北京の言葉を、標準語として、全国に教育していますから、

みんな、標準語を話せますけれど、

毛沢東の時代には、通訳がいなければ、通じませんでした。

書き言葉は、大丈夫でしたけれど、

文字の読めない人が、たくさんいました。

 

国土の広さや人口からすると、

日本では、20年に一度ぐらいの自然災害が、

中国では、毎年起こっても、不思議でありません。

 

今年の中国の洪水報道は、例年並みでしょうか。

湖南省の鳳凰古城が、増水のために浸水しているそうですけれど、

写真を見ると、町の中は膝ぐらいです。

 

昔の楼閣建築のような重層階の建物が、

長屋のように連なり、沱江(だこう)の川岸に並んでいます。

岸辺の岩の上に、石を積み上げて、

建物の土台の高さが、水平になるように、調節しています。

石垣の高さが、8メートルほどになる建物もあります。

 

なかには、石垣から1メートルほど、せり出している建物もあり、

せり出した部分の梁(はり)を支えるための、せり持ちの柱が、

石積みの下の、川岸の岩盤を足場にして、

斜めに、建物の梁を受けています。

 

洪水になると、この迫(せり)持ちの柱が、水に沈みます。

増水時の激流に耐えられるとは、到底(とうてい)、思えません。

 

写真を見ると、確かに真っ黄色の水に、柱が沈んでいます。

普段の沱江の水の色は、緑っぽい色でして、

日本の川のように、奇麗な透明でありませんが、

一応、透明な水が淀んで、緑色になったような顔をしています。

 

ちゃんと流れていますので、普段の色からして、変(へん)です。

洪水になり、黄色くなっているのに、

迫持(せりもち)の柱が流されないのも、変(へん)な感じです。

 

地図と航空写真を見ますと、付近に、ダムがたくさんあり、

ダムとダムの間の町ですので、

ここを流れる沱江(だこう)の水量は、

普段でしたら、完全に管理されているはずです。

 

旅行のガイドブックによると、中国で一番美しい町です。

昔、わたしが通った時は、ただの朽ちかけた町でしたけれど、

今は、すっかり、観光で食べて行く町に変身しました。

 

こんなに、たくさんのダムが出来たのに、

それでも、水量を調節できずに、洪水になるのですから、

かなり、降り続いたのでしょうか。

 

現在の写真を見ると、崩れかけた楼閣の、

見面(みづら)を整えただけの、危ない建物です。

軒が下がり、屋根がへこんで、ほうぼうで瓦が滑っています。

楼閣建築と言っても、個人が勝手に建て増したように見えます。

なんと言っても、柱が細い。

 

昔の日本にも、朽ちた建物は、たくさんありましたが、

幸いにも、都会では、戦争で燃えましたから、すっきりしました。

 

鳳凰古城は、清の時代の町ですから、それほど古くありません。

木造建築の耐用年数を、とっくに過ぎていますけれど、

それぞれの住人が、勝手に雨漏りを修繕しているのでしょうか。

 

塊(かたま)りのように建てられていますので、

お互いに肩を寄せ合い、倒れませんけれど、

木造ですから、火事になれば、救いようもありません。

 

昔の香港の、九龍城にそっくりですが、

あっちは、コンクリートの塊(かたまり)の、スラム街でした。

 

城って、日本では、権力者の砦ですけれど、

大陸の多民族社会では、血縁の者同士が、一つの町を作りますので、

町全体が、一つの砦になるように、塀で囲まれて、城門を持ちます。

お釈迦さんが生まれたのも、そういう町でした。

族長の家柄の、跡取り息子なのに、

出家して身代(しんだい)を潰(つぶ)しました。

 

中国人は、どの民族も、香港のように密集して、

一つの建物の中に塊(かたま)るのが、好きなのかしら。

草原のモンゴル民族や、砂漠のトルコ民族は、

盗賊のように、ほっつき歩いたと思いますが。

 

鳳凰古城は、密集して暮らす町ですけれど、

中国だけでなく、自然条件の過酷な土地では、

超高層ビルのように、一つの建物の中に群がる傾向があります。

 

アメリカでもアラブでも、そうですが、

イブン・ハルドゥーンのようなアラブの思想家は、

そのことを、人間の堕落と言いました。

日本は、その傾向が少ないようです。

 

鳳凰城って、中国各地にありますので、

湖南省の苗(みゃお)族の鳳凰城は、鳳凰古城と言われます。

 

もっと古い鳳凰城という名前の町が、一杯あるのですけれど、

ぼろぼろのままで残っているのは、ここだけですので、

鳳凰古城と言えば、湖南省の、

湘西(しょうせい)土家(とーちゃ)族苗(みゃお)族自治州の、

鳳凰県の鳳凰城を指(さ)すそうです。

 

中国で一番美しい町です。

旅行会社の触れこみね。

ただの田舎のスラム街と思うけど…

こんなに古い建物って、わたしの子供時代に、一杯あったもん。

 

西から洞庭湖に流れ込む沅江(げんこう)の上流の、

武水(ぶすい)の支流の、沱江(だこう)のほとりの、

鳳凰古城という町です。

 

鉄道は、一番近い麻陽の駅まで、

地図で見ると直線距離で30Kmぐらいです。

普通はバスで吉首(きつしゅ)市に出て、

常吉高速という自動車道で、常徳市に出ます。

 

常徳市は、洞庭湖の西側の、

沅江(げんこう)のほとりの、大都市です。

 

わたしの前任者の医師のお祖父(じい)さんのお妾さんが、

赤坂の料亭を経営していましたけれど、

湖南省の苗(みゃお)族の出身でした。

子孫が、今でも暖簾(のれん)を守っています。