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サネカヅラ 1052

2013.01.07 15:00

実葛(さねかづら)は、8月(がつ)に咲(さ)きますけれど、

モクレン科(か)ですから、

見応(みごた)えのある花(はな)です。

 

直径(ちょっけい)は、1.5cmぐらいしかありません。

小(ちい)さくても、

雌(め)しべが、丸出(まるだ)しで、エッチです。

 

モクレン科(か)って、

花(はな)の構造(こうぞう)が、原始的(げんしてき)なの。

離生(りせい)の多心皮(たしんぴ)が、

螺旋状(らせんじょう)に配列(はいれつ)します。

 

写真(しゃしん)の赤(あか)い集合果(しゅうごうか)に、

雌(め)しべの付(つ)き方(かた)が、現(あらわ)れています。

 

一本(いっぽん)の雌(め)しべの離生心皮(りせいしんぴ)から、

一(ひと)つの丸(まる)い果実(かじつ)ができます。

多心皮(たしんぴ)ですので、

たくさんの果実(かじつ)が集(あつ)まり、

全体(ぜんたい)で、

一(ひと)つの集合果(しゅうごうか)と、言(い)われます。

 

心皮(しんぴ)って、

胚珠(はいしゅ)の着(つ)く大胞子葉(だいほうしよう)が、

変形(へんけい)したものです。

 

花(はな)は、泰山木(たいさんぼく)の系統(けいとう)の、

甘(あま)い香(かお)りですけれど、

小(ちい)さいので微(かす)かです。

 

昔(むかし)は、茎(くき)の粘液(ねんえき)を使(つか)い、

髪(かみ)を整(ととの)えました。

 

美男葛(びなんかづら)とも、言(い)われますが、

第二次世界大戦(だいにじせかいたいせん)くらいまでは、

五味子(ごみし)のほうが、

よく使(つか)われられていた名前(なまえ)かもしれません。

 

干葡萄(ほしぶどう)みたいにした果実(かじつ)を、

漢方薬(かんぽうやく)として使(つか)います。

迷信(めいしん)です。

 

蔓性(つるせい)ですけれど、

数(すう)mの高(たか)さに、巻(ま)き付(つ)きます。

 

 

     名(な)にし負(お)はば

 

              逢坂山(あふさかやま)の さねかづら

 

          人(ひと)に知(し)られで くるよしもがな

 

 

                藤原定方(ふじわらのさだかた)

                  後撰和歌集(ごせんわかしゅう)

                  百人一首(ひゃくにんいっしゅ)

 

 

くるよしもがなは、

手繰(たぐ)る方法(ほうほう)があれば良(よ)いのに…

人知(ひとし)れず、娘(むすめ)をものにしたいと、