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先週と今週のクヌギ 1502 

2014.04.10 15:00

 

先週と今週の、櫟(くぬぎ)。

 

春に、雌花(めばな)が受粉して、

どんぐりと言われる果実が、大きく熟すのは、翌年の秋です。

 

櫟(くぬぎ)は、

雌雄同株(しゆうどうしゅ)ですが、雌雄異花です。

 

雌花(めばな)は、

どんぐりのように、葉の根元(ねもと)の枝に、

疎(まば)らに付き、

雄花(おばな)は、尾状(びじょう)に、垂れ下がります。

 

去年の枯葉だけでなく、

雌花の名残(なごり)の、まだ大きくならない子房が、

枝に付いています。

 

枯れた雌しべが残っていますから、わかります。

この雌しべは、今年の夏や秋にも、

緑色の小さなどんぐりや、茶色の大きなどんぐりの、先っちょに、

残っています。

 

現在は、一斉に、

夥(おびただ)しい雄花(おばな)の花序が、垂れ下がり、

新葉(しんよう)が開き、光に輝いています。

ようやく、去年の雌花の子房が、小さな緑色に、色づき始めます。

 

染井吉野の開花や、若葉の展開と、ほぼ同じ季節ですが、

都会の人は、先週の枯葉や、去年の雌花の子房を、知りません。

 

それどころか、櫟(くぬぎ)を知らないかも。

 

わたしの若いころは、

竈(かまど)に、薪(まき)をくべて、御飯を炊き、

冬は、炭をいこして、

家庭の団欒(だんらん)は、みんなで、火鉢を囲みました。

 

第二次世界大戦後の、都会の真ん中でも、そうでした。

櫟(くぬぎ)を見れば、薪(まき)や炭を、思い出します。

 

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