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ブドウの、花と実と蕾(つぼみ) 1856

2015.05.27 15:00

葡萄の咲き残りです。

ほとんどの房は、すでに、結実していましたので、

まだ、蕾(つぼみ)の残っているのを、探しました。

 

花弁や内花被片を、花びらと言いますが、

花びらの全部を纏めて、花冠(かかん)と言います。

合弁花だけでなく、離弁花でも、花冠です。

 

冠(かんむり)は、帽子みたいな奴ですが、

蕾(つぼみ)を見れば、わかるように、

雄しべや雌しべを、保護しています。

 

花冠が、

帽子のてっぺんから、花びらの枚数に、開いた時に、

まだ、花びらの根元が、

花托(かたく)に、くっついているのが、

普通の花です。

くたびれると、根元が、花托から離れて、

花びらが散ります。

 

花托の中に、子房が埋没している植物の種類もあれば、

花托の上に、載っている種類もあります。

 

花びらは、花托にくっついていますから、

種(しゅ)により、

子房の上に、花びらがくっついていたり、

子房の下に、くっついていたりします。

 

葡萄の花冠は、帽子のてっぺんから裂けずに、

根元から、外側に巻き上がるように、5枚に裂けて、

帽子を脱ぐように、花托から離れます。

 

雌しべと雄しべが、

内側から、花冠を押し上げているのですが、

花冠が取れると、5本の雄しべと、1本の雌しべが、

現れます。

 

雄しべが落ちる頃に、雌しべの根元の子房は、

すでに、蕾(つぼみ)くらいに、膨らんでいます。

 

花柄(かへい)の先の、花冠の蕾(つぼみ)は、

下がすぼまり、上が太い形です。

受粉後の、膨らんだ子房の先には、

雌しべの、御用済みの柱頭が、突き出しています。

 

写真の花序は、

一部が、すでに実になり、一部が、まだ蕾です。

真ん中の一番下に、小さな房が写っていますが、

全部、蕾です。

 

花冠が、地面に落ちずに、房に、へばり付いていると、

サビ果や、灰色カビ病を、誘発しそうなので、

ブドウの花冠を、インターネットで検索すると、

花冠取り器の広告が、いっぱい出て来ました。

 

農作業の手間が、増えそうで、

見るだけでも、ぞっとしませんか。

 

花冠って、corolla(カローラ)ですけれど、

日本の乗用自動車は、どうして花冠なのかしら。

 

花托は、receptacle、thalamus、torus などを、

よく使いますけれど、

植物形態学では、receptacle でしょう。

容器の意味。

 

thalamus は、視床と同じで、

女性の部屋や寝室を言いますから、大奥です。

turus は、ギリシャ・ローマ建築の柱の根元を、

ドーナツ状に巻いた飾りの形。

花托が子房を、取り巻いている…

 

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