天出臼夫ってご存知?
この番組、とても好きでした。
クラシックミステリー『名曲探偵アマデウス』
2008年から2012年まで放送されていましたが、私はこの番組を知ったのが遅かったので全てを見られませんでした。知ってから間もなく終わってしまいました。
天出 臼夫(あまで うすお)とは、この番組の進行役で、コメディチックなドラマの中で名曲を解き明かしていきます。まず、この名前で笑っちゃいます・・
どうしてもとっつきにくいイメージがあるクラシックの世界を少しでも身近に・・という意図なのでしょうか。本当にしょうもないお芝居が間に入って、時々フッと吹いてしまいそうになりますが、こと音楽の解説に関しては専門的でもあり、ますます曲を聴くのが楽しくなるようなことばかり。
わからなければ調べてみたいとも思えるし、音源と楽譜を照らし合わせて解説するなどテレビだから生きる解説の仕方で、とても充実している内容で面白かった記憶があります。
今放送のららら・・・より私はコチラのつくりの方が断然好きです。
日本のこういったクラシック番組が、音楽的なことよりも私生活などの内容が多くワイドショー化しているものが多い中、しっかりと音楽の構成に目を向けた番組でした。
you tubeで探しましたら、ひとつだけ見つけたのですが、埋め込みできないようになっていました、残念。
興味のある方は、you tube[名曲探偵アマデウス]と検索で、チャイコフスキー ピアノ協奏曲1番の回を観ることができます。
監修は野本由紀夫さんで、本の中でこの音楽番組についてこんなことを綴っています。
名曲はただなんとなく名曲なのではありません。ちゃんと理由があります。
それは歴史的背景だったり、作曲家の個人史だったりもしますが、とりわけ「音楽理論」と「心理」の相互作用のなかに根拠を持っています。
心を揺さぶられる仕掛けが「楽譜」に隠されているのです。そのヒミツを解き明かすのが、「アナリーゼ(音楽分析)」という作業です。
『名曲探偵アマデウス』が視聴者に熱狂的に受け入れられたのは、アナリーゼそのものをテレビという視覚と聴覚によって展開しているからでしょう。
中略
このアナリーゼは、音楽理論の説明とともに、実はこの「心理=歴史」を解説しているわけです。
番組の「わかった感」「なるほど感」は、音楽理論よりもこの「心理=歴史」の説明にこそあるといえるでしょう。
クラシック音楽がわからない、そのように感じられない、という方の多くは、センスがないからではなく、じつはリスニング体験つまり「学習」が極端に少ないからとも言えます。ポピュラー音楽のほうがわかりやすく感じるのは、曲が短いためもありますが、繰り返し聴く回数が圧倒的に多いからです。
クラシック音楽の素晴らしさは、繰り返し聴けば聴くほど、その深遠なる世界に魅了されるところです。いったんその魅力に気がつけば、クラシック音楽はどんどん身近になっていくでしょう。
いつの時代、どこの国の人々にも愛されてきたのは、この深遠さがあってこそだからです。
そう、知れば知るほど、アリ地獄です・・・笑
本当のアナリーゼに焦点をあてた音楽番組。貴重です。
もう一度、全再放送してくれないだろうか・・。