『W旦那+(プラス)』第109話 三代目妄想劇場
2018.01.09 11:30
臣のマンション。
リビングのソファーで、臣と理愛が向かい合わせに座っている。
隆二は臣に先に入るように促され入浴中だ。
理愛「旦那様…もう私は必要ないのですね」
臣「…物分かりがいいね、理愛」
理愛「キスも?」
臣「しないよ。それじゃ意味がない」
理愛「それでは…協力していただけるんですね?」
臣はウォッカをぐいっと飲み干した。
臣「ああ…お前もな」
バスルームの扉が開く音がした。
「臣ぃ!お風呂空いたよ〜!」
隆二の明るい声が聞こえる。
臣「ああ…」
ゆっくりと理愛が立ち上がった。
スウェットの上下を着て、頭からバスタオルを被った隆二と廊下ですれ違った。
「あれ…理愛ちゃん」
「隆二さん…」
理愛は軽く頭を下げて、ベッドルームに入っていった。
ソファーを見ると、臣がじっと隆二の顔を見ている。
隆二「ん?なんか話してたの?」
臣「…いや、別に」
隆二「そう…」
臣の前に腰掛け、バスタオルで洗い立ての髪を拭く。
隆二「ウォッカ…キツイの飲んで…」
臣「今夜、直己さん来ないから」
隆二「えっ⁉︎予定変更?連絡あったの?」
臣「いや…俺の方から、今日はいいって断った」
隆二「なんで急に?」
臣「理愛も出かけるようだし」
隆二「こんな時間から?」
臣「もう少ししたら、がんちゃんが迎えに来るって」
隆二「危険じゃないの?」
臣「がんちゃんには何もしないだろ」
臣にとってはどうでもいい事のように、隆二の耳に響いた。
End