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AI AF Zoom Nikkor 24-120mm F3.5-5.6D(IF)

2022.09.21 16:37

このレンズは、ニコン初の24-120mmズームレンズである。

ニコンの公式サイト「ニッコール千夜一夜物語」の記事によれば、当時のニコンにおいても設計難易度が高いレンズであったという。光学設計者(佐藤治夫氏)がこだわりをもって設計しただけあって、当時の評価は高く、かなりの本数が販売されたようである(中古市場での流通量も多い。)。

実際、絞り開放から高コントラストで解像感のある写りをする。20年以上も前のズームレンズとしてはかなりの高性能レンズである。

本レンズのあとにAF-S VR Zoom-Nikkor 24-120mm f/3.5-5.6G IF-EDという新型(手ブレ防止付き)が販売されたが、本レンズの方が写りとしては評価が高い。

本レンズは、フィルムカメラとデジタルカメラの両方で使えるDタイプであり汎用性も高い。

当方がFマウントのボディを持ち続ける限り、手元に置いておくことになりそうである。

隠れた名作。


AI AF Zoom Nikkor 24-120mm F3.5-5.6D(IF) の気に入っている点を挙げると次のとおり。

・自然な立体感、階調、良好な解像度。

・広角域から望遠域まで、レンズ交換をせずに素早く撮影できる。冠婚葬祭、イベント撮影等で非常に便利。

・広角24mmから始まる高倍率ズームとしては、全ての焦点距離で画質が安定している。

・550gと比較的軽量。

・最短撮影距離が0.5mからであり、たいていのシーンをカバーできる。

・フレアの生じることが多い望遠端の至近距離でも、絞り開放から鮮明に写る。

・精度の良さを感じるスムーズなズームの操作感。


このレンズを使っていて気になる点は次のとおり。

・さほど明るいズームレンズでもないのに、72mmという大きめのフィルター径。

・開放絞りF5.6という望遠側の暗さ。もっとも、デジタルカメラの時代になってISO1600が常用になると、俄然魅力的なレンズに見えてくる。フィルムカメラ時代には、望遠側がF5.6というスペックは魅力を感じないものであった。

・やや逆光に弱く、逆光でコントラストが低下しやすい(ハレ切り必須)。

・24mmから始まる高倍率ズームなので仕方ないが、フードの効果が小さい。純正のフードが大きすぎる。折り畳みのラバーフードの購入を検討中。

・高級感を感じないゴロンとしたデザイン。



このレンズは、レンズを1本で済ませたい人であって、かつ広角は24mmまで必要な人に最適なレンズである。特にニコンの歴代24-120mmの中では最も軽いことから、フットワーク重視の人に向いている。



【スペック】

レンズ構成: 11群15枚(ガラスモールド非球面レンズ1枚と複合型非球面レンズ1枚(G4・13))

最小絞り: 22

最短撮影距離: 0.5m

フィルターサイズ: 72mm

最大径×全長: 79mm×80mm

重量: 550g

フード: HB-11(別売)

希望小売価格(税別): ¥84000 ※終売時点

発売年月日: 1996年10月10日


メーカー製品ページ

https://www.nikon-image.com/products/nikkor/fmount/ai_af_zoom_nikkor_24-120mm_f35-56d_if/


ニッコール千夜一夜物語 第五十八夜 

https://www.nikon-image.com/enjoy/life/historynikkor/0058/index.html


作例1 焦点距離24mm、絞りf11

作例2 焦点距離60mm、絞りf7.1

作例3 焦点距離30mm、絞りf10

作例4 焦点距離45mm、絞りf10

作例5 焦点距離24mm、絞りf4.5