畑に水やりはしない方がよいって知ってましたか?〜意外な子育てとの共通点〜
畑に来られる方が、最も驚くことのひとつに
「水やりはしないほうがよい」
ということがあります
子供が読む絵本とか見ても、
種まきと水やりはセットのものとして書かれていますが、
実はそうではありません。
プランターやポットなど、
土の量が少ない条件では水遣りが必要になりますが、
外の畑で行う場合は水をわざわざやらなくても、
種は雨が降るまで待つことができるのです。
ここで良かれと思って、
私たちが中途半端に水遣りをしてしまうと、
根を遠くまで伸ばさなくなり、
常に周囲に水がないと生きられない弱い苗になってしまいます。
なので一度水やりしてしまうことが、水やりの必要性を生んでしまう
という悪循環が起こるのです。
例外として、苗を植えるときは、種と違い、葉っぱから常に水分が抜けていくので、
きちんとそこの土に根付くまでは水分がないと持たないので、
天気しだいですが基本は水遣りが必要です。
また夏場に1ヶ月とか雨が降らないと、
作物によっては水遣りが必要になる場合もあるかもしれませんが、
一回中途半端にやってしまうとまたすぐ水を欲しがるようになる
ということは覚えておいたほうが良いかとおもいます。
多少しおれていてもそれは、葉っぱからの水分の蒸発を防ぐためrに
あえて植物がそのような状態になっているということ
ですので、心配しすぎる必要はないのです。
一度水遣りをやってしまったことで、
さらに水遣りが必要になってしまうというようなことが実は、
「肥料を与える」や「農薬を使う」、「耕す」というようなこと
においても同じようなことが起こっています。
「肥料を与える」「農薬を使う」「耕す」ということが悪いという話ではありません。
それがいつのまにか当たり前になってしまったことで、
野菜の生命力、成長、自立する力を奪ってしまっているという事態に今の
農業はなりがちなのです。
その結果、余計に農薬が必要になる、肥料が必要になる、
世話をしなければならないという悪循環になっていて、
それが不健康な野菜、無駄なエネルギー浪費、環境汚染などに
繋がっています。
この話をすると必ず、子育てと一緒なんですね〜という話になります。
本当にそう思います。
甘やかすことと愛することは違うんですよね。
育つ環境を整えることは、ただ望むままに与えることではないのです。
その子が成長し、自立して生き、
この世界でそのポテンシャルを最大限に開花していけるような力を
育んでいく必要があると思います。
ただ与えるだけでは、
見た目の地上部は大きくなっても
しっかりと大地に根をはることはできず、
風ですぐ折れたり、
自分で水を探せず、
その可能性を最大限に発揮することなく一生を終えてしまいます。
私たちの畑の寺子屋では、便利な道具や資材の使い方も説明しますが、
最終的には「種」と「人」と「土」の力だけで
畑を作っていくやり方をお伝えしています。
種(野菜)、人(わたし)、土(環境)。
(つまりそれは生きている全てのものを含んでいるのですが)
それぞれの本来持っている力と、可能性を最大限に引き出し、
豊かな関係性を築けた時、
全ての生き物は一つであり、循環していて、
そこに必要なものは全てあったのだと気づいちゃうのです。
私たちの本当の願いは、
この文章を読んでくださっている方をはじめとして、
今を生きている人たち、
これからを生きていく子供たちが、
このいのち溢れる地球という環境で生まれたことを
最大限に楽しみ、
その持って生まれた輝かしい可能性を開花させ、
生き生きとした人生を送ってほしいということです。
ただ食べれれば良いというだけの人生で終わって欲しくないなと思います。
食べることは
生きることであり、
この世界と繋がるという喜びそのものです。
食べることを通して、
いのちを育むことを通して、
この世界(自然)と関わることを通して、
あなたとあなたが愛する人が生き生きと暮らし、
その可能性を最大限に開花していき、
豊かな世界が広がっていくことを願っています。