パストラーレシンフォニックバンド第11回定期演奏会
今年度に入ってから津堅先生のサポートとして合奏練習をさせていただいています一般団体、パストラーレシンフォニックバンドの本番が先日6月12日(日)に開催されました。
このご縁は師匠である津堅先生から声をかけていただいたことがきっかけです。しかも今回それだけでなく、自編曲のハチャトリアン作曲「ガイーヌ」組曲を演奏していただけることになりました。ありがたいことです。
ガイーヌ組曲は、以前東京音大の3,4年生中心の吹奏楽、シンフォニックウインドアンサンブル(通称Aブラス)の公演で演奏するためにこれもまた津堅先生からご依頼を受けて書かせていただいたのですが、Aブラスはとにかく人数が多いので、編成をこれでもかと大きく書きました。特にトランペットは、室内楽でもするかのようにピッコロ、B管、コルネット、そして全員フリューゲル持ち替えのような編成で、人数的に演奏できるバンドが限られております。まさに大学の授業だからできた編成。
しかしそれをパストラーレの皆さんは普通(かどうかはわかりませんが)何の違和感もなさそうに演奏されておりました。
パストラーレの方はそのほとんどの方が趣味で演奏されていて、音大を出た方はほとんどいらっしゃらないと思いますが、個人の譜読み力、アンサンブル力、音程感(音感)の良さに合奏にいくたびに驚かされます。休日にしか楽器が触れない方もとても多いと思うのですが、なぜあんなにハイレベルなのか。
そして今回の公演で最も注目されるのは、トランペットのアンドレ・アンリ氏がソリストとして共演されたことです。アンドレ先生は東京音大の教授をされていて、大学でもたびたびお目にかけておりましたが、実はちゃんとご挨拶したのは初めてでして...。
演奏されたのは、マルセル・ケンツビッチ作曲「トランペット協奏曲『英雄』」。ケンツビッチは津堅先生の作曲時のペンネーム。アンドレ先生のために書かれた作品なので、フランスの国歌が所々に出現し、タイトルの通りベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」に出てくる有名なホルン3重奏を模したメロディが出てくる面白い作品です。音域も広く、難しいパッセージもカデンツァもたくさんあるこの作品をいとも簡単そうに、そして極めて美しく演奏するアンドレ先生。リハーサルから圧巻でした。どうやったらあんなフルートみたいなハイノートが出るのでしょうか。
最後まで集中力が欠けることもなく、終始安定した演奏をされていたパストラーレの皆さん、大変素晴らしかったです。素敵な演奏会をありがとうございました。
でもここからコンクールに向けての練習が始まります。微力ではありますが、引き続きお手伝いさせていただきます!
ひとまず、お疲れ様でした!
荻原明(おぎわらあきら)