勝手に比較!住宅の設備・建材まとめてみました!~外装 サイディング編
豊富なバリエーションで圧倒的シェア サイディング
新築住宅の外壁材の約9割を占めているサイディング材。リフォームの際は張り替えか重ね張り工法をとる。
外壁材シェア約9割!
新築住宅の約8割に窯業系サイディングが採用されている。この割合は年々増加しており、対してモルタルは減少傾向にある。全国的に窯業系が主流だが、寒冷地域では金属系の割合が増える。
引用/日本サッシ協会調べ(2020年度調査)
軽量で施工がしやすい
デザイン方法で広い選択肢
新築戸建て住宅の外壁材で主流なのがサイディング材だ。中でもセメントを主材料とした窯業系は全体の約8割を占めている。他に、アルミやガルバリウム合板、スチールなどで作られた金属系や寒冷地での需要が高い樹脂系がある。
板状の外壁材を貼り付ける工法になるため、施工性に優れる。職人の腕に左右されるモルタルなどに比べ、品質が安定するうえ工期も短くて済み、トータルコストを抑えることができる。窯業系は色柄のデザインが豊富で選択肢が広い。
瓦など他の外壁材に比べ軽量なため、建物への負担を軽減でき耐震性が高まる。モルタルから窯業サイディングへのリフォーム時に、耐震改修を行う新SAT工法もある。特に金属系は窯業サイディングと比較しても1/4程度と非常に軽量で、耐久性・断熱性に優れることから、寒冷地で多く採用されている。
新SAT工法とは?
古くなったモルタル壁を窯業サイディングに変える際に、既存の外壁を耐震性の高い耐力面材に改修する工法。モルタルを剥がした部分には、構造用合板で補強し、気流止めを入れるため断熱性も向上外側からの工事のため、住みながら耐震工事を行え、デザインも一新できる工法だ。
素材提供/住宅外装テクニカルセンター
モルタルとの違いって?
モルタルの主原料はセメント、砂、水で、現場で調合する砂モルタルと、工場生産の軽量モルタルがある。意匠性に優れ曲面などにも施工できる一方、工期が長い、クラックが入りやすいなどのデメリットも。サイディングとの大きな違いは、施工の仕方と継ぎ目(目地)の有無だ。サイディングはボード間に隙間が生じるため、コーキングを打つ必要がある。
サイディング外壁のリフォーム 補修の目安は?
サイディング同士の継ぎ目(目地)や窓まわりの継ぎ目部分を埋めるため、シーリング(コーキング)が使われている。劣化してヒビ割れなどが起こると、雨水が侵入したり、内部の腐食につながる。放置せず打ち替えや打ち増しを行って補修しよう。
表面の細かいヒビ
シーリングを先に打ってから塗装をした場合、塗膜がシーリングの弾力性に追随できず、塗膜に細かいヒビが入りやすい。
サイディングとの間に隙間
剥離している。シーリングが古く痩せて接着が切れた、または施工時に接着を良くするプライマーの塗りムラがあった等が考えられる。
裂け
破断とも呼ばれる。シーリング材自体が寿命で、触ると硬い。
痩せてひび入り
年数が経つとシーリングは肉痩せしてサイディングの表面から凹んでくる。痩せると薄くなり、ヒビが入りやすくなる。
主なサイディング材の特徴
よく使われているのは窯業系、金属系の2種。それぞれのメリット・デメリットを比較してみよう。
窯業系
【材質】
- セメント質と繊維質
【メリット】
- デザインが豊富
- 耐火性に優れる
- 耐震性に優れる
- 軽量
【デメリット】
- 凍害に弱い
- 防水性を保つためメンテナンスコストがかかる
- シーリングの汚れが目立つ
【価格目安】
- 4,000 ~ 6,000/㎡
【耐用年数】
- 10年を目安に塗り替え
- シーリングは数年おきに点検、打ち替える
金属系
塗装技術の進化により、単調だったデザイン性の幅が広がっている。海岸地域(海岸線から500m以遠)で使用できる製品も登場している。
画像提供:旭トステム外装
【材質】
- ガルバリウム鋼板、アルミニウム合金塗装板、ステンレス合板など
【メリット】
- 非常に軽量
- 断熱性に優れる
- 凍害に強い
- 耐久性に優れる
【デメリット】
- サビが発生する
- 衝撃に弱い
【価格目安】
- 3,000 ~ 9,000 円/㎡
【耐用年数】
- 10年を目安に塗り替え
- シーリングは数年おきに点検、打ち替える
- 水洗いをするとサビ防止に
樹脂系
カナダ、アメリカでは50%以上のシェアを誇る。塩化ビニール樹脂を主原料とし、塩害や凍害に強く、耐久性が非常に高い。しかし、施工できる業者が限られ金額も高いため、国内でのシェアはまだ低い。
画像提供:旭トステム外装
木質系
木材に塗装を施したサイディング。木ならではの質感、ぬくもりがある。吸水性が高く、再塗装などメンテナンスの手間がかかるうえ、施工できる業者が限られることからシェアは高くない。
画像提供:プレイリーホームズ
リフォマガ2022年3月号掲載