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旅のチカラ、旅のカケラ

カイロに沈む

2008.10.11 12:30


カイロの「スルタン・ホテル」で

10泊目の朝を迎えた。

何も変わらないことって案外心地いい。



朝日に目を細めながらジューススタンドへ行き、

フルーツカクテルとサンドイッチを立ち食い。

いつもの商店で水を買って宿に戻る。


ロビーのソファでパソコンを開き、

カタカタとキーボードを叩いていると、

「おはよう」と、馴染みの顔が起きてくる。



↑フルーツカクテル 40円


昨夜の蚊はひどかったな…

今日はどこへ行くの?

こうして午前中は、他愛の無い話に身を任せ、

小川に浮かぶ笹舟のように静かに流れていく。


昼はコシャリ。

ようよう不味くなりゆく。

(枕草子だね)



エジプトに入って以来、

こいつを口にしない日はない。

香川の人は、1日あたり1.2杯の

うどん消費率だそうだが、

エジプト人のコシャリ消費率は

おそらく2杯以上の数字だと思う。


さすがに飽きてきたが、

1杯60円、胃にも懐にも優しい庶民の味。



↑コシャリ 60円


本を読みながらうたた寝し、

夕暮れの冷たい風で目を覚ました。

あぁ、今日が逃げていく…

淋しい気持ちでベッドから起き抜け

馴染みの顔があるソファに腰を降ろす。



ビザの申請がひと段落し、

書きかけの原稿も目処がついた。

読みかけの本も残りページが寂しくなってきた。

カイロを経つときは近い。


ウォッカをコーラで割り、

トランプに興じながらグラスを傾けた。

そういえば、この旅で初めての酒だ。

すこぶる酒に弱いので、すぐに頭が痺れ、

身体がドクドクと脈を打った。


ちょっとハイになり、

ちょっと声がうわずり、

酔いが醒めるころには、時計の針は頂点を指し、

カレンダーの駒が1つ進んだことを知った。



何もなかった1日、

でも、こんな時間ほど後から

懐かしい記憶として甦ることを知っている。

だって、旅中に思い出す日本の記憶は、

ほん些細なできごとばかりだから。