フィンランドの薪ストーブ TULIKIVI
2017年2月、フィンランドの師匠に再会しました。長野オリンピックにてフィンランドのクロスカントリースキーチームのヘッドコーチだったAntti Leppävuori 氏。フィンランドスキー界の師匠が妙高高原の横山スキー一家の宿にやってくるという話を聞き、15年ぶり程の再会を果たして来ました。AnttiとSimo(Minä olen Simo) がkippis(乾杯)です。
オリンピック会場の長野県白馬村に入る前の調整合宿が新潟県の妙高高原で行われました。英語ヘラヘラで大学ノルディックスキーデビューの学生だった私は、フィンランドチームが滞在したペンションに住み込みボランティアをする機会に恵まれました。
歴史に名を残す選手達とプロフェッショナルなスタッフで組まれたフィンランドチームは、若い選手もベテランも振る舞いは落ち着き、それぞれ個人が尊重された理想の家族かの様な雰囲気がありました。そして数多くのメダルも獲得しました。この出会いがきっかけで、コーチングの勉強をしたいとAnttiに懇願した結果、フィンランドに渡る事が出来たのです。
私が渡芬した頃、40代のAnttiは家を建てたところでした。(20年が経ち、私があの頃のAnttiの年齢になったみたい。)その家は外壁をレモン色で塗られた木造住宅です。大体は自分で大工仕事をして建てたと聞いて当時も驚いていたことを思い出します。フィンランドの森にハンティングに連れて行って貰ったり(収獲は数時間の森林浴のみ)、焚き火をしてナイフで整えた枝にマッカラ(フィンランド人の主食であるソーセージ(゚∀゚)。野菜でもある。嘘)を刺し、焼いて食べる事の美味さを教えてくれたのも、上記のフィンランド風ジョークを教えてくれたのもアンティでした。
想い出話や、近況報告で忙しい中、そういえば、大きなストーブが彼の家の中心にあったなーと思い出し、フィンランドのストーブはどんなんでしたっけ?どんなものがお勧めなのかを聞いて見ました。
「Tulikiviだよ。こないだお父さんの家にもプレゼントしたばかりだ」と教えてくれました。早速webで検索すると、そうだー!フィンランドの家庭で見た事あるストーブはこれだ!と記憶が遡りました。フィンランド原産のソープストーンで囲われたデッカい蓄熱帯型ストーブです。「これだ!こういうのが欲しい!」流石、フィンランドです。値段は現地で5000€程だと聞きました。なんと、65万円くらいって事?!現実的な値段です。
日本にも代理店があるようで、早速電話をしてみました。しかしながら、代理店のおじさんは消極的な口調で、「想像以上に暖かくない」というようなクレームを受けないことを前提に商品の説明をしてくれました。きっと嫌なことがあったばかりなのでしょう。値段は小さなタイプで設置まで含め200万円以上するとの話。がっくり肩を落としました。予算を大きくオーバーします。なかなか簡単に上手くはいきませんね。
キーワードは「ソープストーン=大きな蓄熱帯」「建造物かのような存在感」「大きく綺麗な窓」「鋳物や鉄の黒ではない表情」という事が分かって来ました。そして、「珍しさ」も加わりますかね?
今こうして、長野県で家づくりに奮闘しているのも、フィンランドに3年住んだ経験があるからでしょう。光嶋裕介とも出会ったのはフィンランドですし。Anttiが快く迎えてくれなければフィンランドでコーチングの勉強をすることも無かったです。その前に妙高の横山さんのお陰でフィンランド人とと繋がりました。そのもとを辿ると、野沢温泉の畔上大地、富井彦、上野慎吾と数々のトップスキーヤーが大学ノルディックスキーデビューの私をwelcomeしてくれて感謝です!過去に遡る人の縁がフラッシュバックし、皆さんに感謝すると共に歳をとった気分です!
一年に一回のhiihtoはソリ引きで汗をかきました。(娘は雪食べとるやないかい!)