コーチング事例:部下に主張ができない上司
こんにちは。スパークラボの津田友恵です。
私はコーチとして、ルミナスパークを
1オン1コーチングの中で活用しています。
今日は、クライアントの方に許可をとった内容をご紹介します。
部下に主張ができない上司
今回のクライアントAさんは、
大学卒業後日本企業に就職し、
創意工夫しながら高い成果を出すことを評価され、
営業部門の管理職をしている女性です。
Aさんのコーチングのテーマは部下育成。
彼女はやる気のない部下たちと
よい関係を築いていくことに苦労していました。
彼女はセッションでこのようにいいます。
「部下は案件の主担当なのに責任を持とうとしていない」
「部下はプロジェクトをどのように進めていくか、考えていない」
「部下はやる気がない」
といかに部下に課題があるかを話します。
私は、
「部下にはどのように伝えているのですか?」
と質問したところ、
「部下には、やんわり伝えています。私の考えを言ってもなかなか理解されないので。」
と、Aさんは部下に対しても自信をもって自分の考えを伝えていませんでした。
それはなぜかを聞いたところ、
「以前部下から、『あなたのようには仕事はできない』と言われた経験があり、あまり自分の考えを押し付けてはいけないのかなと思っています」
彼女のルミナスパークのクオリティを見ると、
「主導力がある」「タフ」といった、
結果を出すことを重視する強みが高い傾向にあります。
日常で活かす分には強みになりますが、
ストレスがかかった「行き過ぎたとき」でも高い傾向にあります。
「行き過ぎたとき」に高く出るものは弱みになり、
「主導力がある」→「支配的になる」
「タフ」→「衝突を求める」
と意味が変わります。
グラフを見ると彼女は「タフ」を、
「内在する自分:ありのままの自分」では強みとして持っています。
「タフ:力強く議論し、衝突も恐れない」という強みです。
しかし、「日常の自分:仕事や日常生活での自分」では数値が低いです。
ルミナスパークではこれを「隠された宝」と言っています。
本来は上手に使えるのに、何等かの理由で活かしきれていない強みです。
このことを彼女の聞いてみると、
「小さいころから成績が良かったり、自分の主張をはっきり言うと、怖いと言われたり、なまいきと言われたりするので、あまり言わないようにしています」とおっしゃいます。
グラフを見ると「行き過ぎたときの自分:ストレスがかかったときの自分」でグラフが高くなっています。強みは行き過ぎると弱みになりますが、弱みとして出ているようです。
堪忍袋の緒が切れる
ストレスが高くなったときに、行き過ぎてしまうことについて、彼女に聞いてみました。
「そうですね。日常ではあまり自分の考えを言いすぎないようにしているのですが、私も我慢が限界にきて堪忍袋の緒が切れると、『これはどういうことなのよ』とキレます」
彼女はあまりそのことを悪いことと思っていないようです。
ルミナでは、隠された宝が、ストレスがかかったときに
弱みとして行き過ぎで出ることを、「要注意のM字」と言っています。
グラフが横向きのMになっています。
Aさんは、
「ここまで我慢したのだから、キレても仕方がないだろう」
と思っているのですが、
周囲の部下からすると、
「Aさんは今まで穏やかだったのに、急にキレれて意味がわからない。」
と感じます。
すると、
「またキレるかもしれないから、当たり障りないように付き合おう」
と考えます。
人は付き合い方に不安を覚えると距離を取ります。
信頼関係が築くのが難しくなるのです。
日々の中で自分の強みを少しづつ出していく
Aさんは、日常の仕事の中で、
あまり部下に自分の考えを批判ではなく、
一つの考えとしても伝えてこなかったことに気づきました。
それからは「あなたはそう思うんですね。私はこう思うんです。」と軽やかに伝えるようにしました。
すると想像していたよりも、「そういう考えもあるのですね」と部下からもよい反応があるそうです。
Aさんは状況によって強みの出し方を工夫することによって、
人との関わり方のパターンを変えることができました。
本来持っている強みは上手に使える強みなので、活かしていきたいですね。