第1回十字軍22-イスラム反撃ザンギー登場
2018.01.12 09:40
イスラム側からは少しずつ対十字軍の動きがでてきていた。1113年末、シリアの北アレッポ領主が亡くなったあと街の実力商人ハシャーブが、メソポタミアのトルコ人領主イル・ガーズィを迎えた。1119年6月28日、ガーズィはサルマダでアンティオキア軍に勝利、摂政ルッジェロを戦死させた。
アレッポは歓喜に沸き、新しいアミールを讃えたが、ガーズィは酒に溺れ3年後に亡くなった。ハシャーブはめげずに次を探し、ガーズィの甥バラクを連れてきた。彼は1122年奇襲でエデッサ伯ジョスラン1世を捕獲、救援に来たボードワン2世も捕虜にした。
しかしバラクはテュロスの戦いで戦死、捕虜の2人は解放され、十字軍国家は最大規模となった。めげないハシャーブは今度はモスルのアル・ボソキをスカウト。ところがハシャーブは、1125年暗殺教団アサシンクリードの手にかかり暗殺され、また混乱してしまう。
その混乱の中でやってきたのが、モスルの太守ザンギーだった。ザンギーは、セルジュクのスルタン、マフムード2世を反乱から守った手柄で出世し、モスルを任された。彼は十字軍に勝利し、最初のイスラムの英雄となるが、目的は自分の国だった。