『W旦那+(プラス)』第112話 三代目妄想劇場
2018.01.13 00:00
「隆二…」
ゲストルームでうとうとしていると、近くで臣の声がした。
ハッとして飛び起きると、風呂あがりか、腰にバスタオルだけ巻いて、臣がベッドの横に立っている。
部屋中に甘くていい香りが充満している。
隆二は呼びかけに答えず、額に手を当て目を閉じた。
(臣の香水って…こんな強い香りだったっけ?)
大きく息を吸うと、濃密な空気と甘い香りが喉に入ってきた。
軽いめまいを感じる。
「隆二…」
近くでまた臣の声がしたので、薄く目を開けると、すぐ前に臣の顔があった。
「お…み」
隆二はツインベッドの片方に座っている。
臣は隆二のベッドに座り、顔に手を触れた。
スタンドライトの柔らかい光に照らされた臣は、怪しく笑みを浮かべている。
グイッと隆二の首を引き寄せ、荒々しく唇を重ねてくる。
舌が…生き物のように隆二の口中で蠢く。
濃厚で深いキスの途中で、顔の向きを変えようとして臣が唇を離し、
「はぁーっ……」声に出さずに荒く息を吐く。
「あ……んぅ」
隆二は熱く溶けそうな感覚に襲われ、
つい声に出してしまう。
「もっと…絡ませろよ」
「お……み」
荒い息を吐きながら、隆二が戸惑っていると、
臣は隆二の両手を持ち、ベッドに押し倒した。
End