私のなまえ香二百三十五 藍色ことば
藍(あい)の色のことば。
藍の色は天然染料で、藍の色素となる草で出来上がるそうです。
その藍の「藍の花」は、秋の言葉で
「藍蒔く」は、春の言葉として詠みます。
草色の緑から、空気に触れて この美しい色へ。
藍色よりも淡い「水色」、さらに薄くして「かめのぞきいろ」
藍色よりも濃くしたものが「浅葱色(あさぎいろ)」
どれも、美しい響きの色言葉。
繊細な濃淡に仕上げてゆく工程と、四季を通じて仕上がる藍。
古くから薬用として使用されていたそうで、
藍で染めたものは毒虫も寄せ付けず、防虫効果もあるそうです。
古代祖先の人たちは、自然と助け合い、活かしあって
心地よく過ごしていたのでしょうか。
そして今も、草木染めをされている方たちとの
会話そして色目から柔らかな美と香しさが伝わってきます。
夏は、藍の色を無意識に求めます。
藍色、水色・・・不思議なものです。
夏の夕に、カランからんコロン~、
砂と絡みあう下駄の音、カラカラと地面をなでるような響き
この頃は、少なくなりましたけども・・藍色の浴衣もちらほらとお見かけします。
天然の藍で仕上がった色を目にし、触れると、
五感 何よりも身心すべてへ心地よく振動が伝わってきます。
もちろん、暑さも落ち着いて、開放へと誘ってくださる。
「藍色(あいいろ)」言葉の表情からもみてみました♪
若々しくも溌剌とすっきりとした響きを捉えていて
夏ならではの音ももっております。
藍の色から、濃淡はじめ何度も手間をいかし仕上げていく工程を
表現するかのように厳しくも特殊たる表情もあって
藍(あい)の植物たる動きある生命の音も。
さらに先人の知恵の合理性も表情からしっかりと捉えられ
落ち着いた感じが、藍色の美を引き立てるように
きこえそうできこえない和やかな余韻。
夏の色のお役目として、今もなお。
すっきりさと、落ち着きの整った 控えめな夏の匂いがします。