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すんぷ訪問リハビリコミュニティ「語Reha"」

運動を習慣化させるコツ

2022.06.20 10:00

こんにちは、ケアーズ静岡沓谷訪問看護リハビリステーションの西です!


今回は、在宅で皆さんが直面しているであろう廃用症候群によるADL・QOLの低下について、

『運動習慣』

という観点から、ケアマネージャー様や一般の方々向けにお伝えできればと思います。


———『廃用症候群』———

○「身体の不活動状態により生ずる二次的障害」として体系化された概念。

○不動(immobilization)・低運動(inactivity)・臥床(bedrest)に起因する全身の諸症状の総称。

○廃用症候群は、筋骨格系・循環・呼吸器系・内分泌・代謝系・精神神経系など、各臓器の症状として多岐に現れ、日常生活自立度を低下させる。

 

※詳しく知りたい方はこちら


「歩かないと足腰が弱るよ!と言われるけど、なかなか毎日歩けなくて…」

「歩かないといけないことは分かっているけど、なかなか歩けない」

 

このような訴えをよくお聞きします。

ただでさえ、車や電車、バスなどの交通機関が発達し、步く機会が少なくなってしまいがちな昨今。

意識的に步くようにしないと、ついつい運動する機会が少なくなってしまいます。

しかし、「毎日必ず步く!」と決意してみても、多くの場合、継続させることが難しいですよね。

そこで、

『運動を習慣化させるコツ』

を5つご紹介しようと思います。


【運動を続けるための具体的な方法】

①意思や根性に頼り過ぎない

まず、決意・意思・根性に基づいた行動は「継続困難」ということを認識する必要があります。

“続かないことの代表”のような「ダイエット」でもそうですが、無理して食事制限などに取り組んでいるとそれに耐えかね反動で食べてしまい、リバウンドしてしまう可能性を秘めています。

できるだけ意思や根性に頼らない方法でダイエットを継続させる方法を考えることが理想です。

步くこともこれと同じで、

『意思に頼り過ぎる→サボり始める→続かない→継続できない自分を責める→歩かない』

なんてことになりがちです。

だからこそ、意思や根性に頼り過ぎない仕組み作りが大切になります。


②家から出る用事を“あえて”作る

人は周りの環境によって行動を無意識に変えています。家から出る機会が少ない方は、まず「家から出なければ達成できない課題」をあえて持つようにすると、自然と步く機会を作ることができます。

例えば、

・デイサービスを利用してみる
・買い物をわざと小分けに買うようにして、2・3日に1回スーパーに行く動機を作る

などです。

歩行することを目的にするのではなく、違う目的を設定し、その中に步く動作を取り入れることで自然に無理なく続けやすくする仕組みにするのです。


③楽しいことの“ついでに歩く”

步くときに、“ただ步く”のではなく、近所の方や仲の良い方と一緒にお喋りしながら步く習慣を付けるようにすると、步く時間が楽しみに変わります。

その方と「何曜日の何時にどこで待ち合わせして、一緒に歩きましょう」と相談して決めておきます。

たとえ、その日に少し気分が乗らなくても、待ち合わせ場所に行かないと相手に迷惑が掛かってしまいます。

そうすると適度な強制力が自然と働き、お喋りの延長線で歩くことができます。


④靴や服を替える

靴を買い替えたりスポーツウェアなどの服を買ったりすると、気持ちに変化が生まれます。

道具をうまく活用して、歩くモチベーションを維持する方法も有効です。


⑤効果を振り返る

やる気を持続させるには、反応(フィードバック)が大切だと言われています。

步くことで自分の体調がどう良くなったか、1週間程度で良いので一度自身で振り返り、できれば紙に書き出しましょう。

1週間程度では体重が減ったなどの大きな変化は感じにくいと思いますが、

・体が軽い感覚がする
・なんとなく足に力が入りやすい
・お通じが良くなった気がする
・手足の冷えがを感じにくくなった
・気分が落ち込みにくくなった

などは歩くことによる血流の改善効果で感じやすいものです。

歩く効果をはっきり認識できると、「さらにもう少し」と頑張るモチベーションを持続させやすくなります。

~まとめ~

運動を習慣化できない方は、「歩くことをただ決意する」という1つの方法を何度も繰り返し、その度に継続できず、継続できない自分が悪いと落ち込んでしまうことが非常に多いように感じます。

しかし、「人は決意だけでは物事を継続できないもの」と違った視点で考えてみると、やり方を変えてみようという新しい視点を持つこともできます。

その人自身の問題よりも、習慣化させる方法に問題がある場合は多いものです。

今回ご紹介した5つの方法はあくまでも一例です。何か1つでも参考になればと思います。


加齢による変化も要因の一つで不可逆的ではありますが、廃用の要素については、適切な対応により活動量を維持できれば、可逆的変化を望むこともできるかもしれません。

冒頭で述べた在宅で直面する廃用によるADL・QOLの低下は、

『人ではなく環境』

にフォーカスすることで予防に繋げることが可能です。


リハビリを生業にしている我々は、日々その環境について工夫を凝らしております。

「やる気がないから」「こういう性格だから」等という方がいらしたら、訪問リハビリを是非ご検討くださいませ。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。