『W旦那+(プラス)』 三代目妄想劇場 番外編「初めてのマック⑫」
2022.06.21 03:22
笑顔で軽くため息をつき、電話を切った廉。
実はスマホ片手に、剛典のツアーグッズであるチェックのストールに包まった りおをバギーに乗せて、
隆二達がいるマック近くまで来ていた。
廉「りおちゃん、もうすぐパパ達やにぃにがいるマックだよ。ご機嫌直して下さいな」
りお「バァ!」
赤いストールをめくって変顔で顔を出したりおは、すっかりご機嫌の様子だ。
廉「そうそう、その調子」
「ハニーはいないけど、そのままキープだよ」
りお「はぁい♪」
廉「いい子いい子」
「あ、マックだ!臣さん、目立つからすぐにわかった」
「隆二さんと隆臣くんは…」
カウンターから臣が待つ席に戻る間に、隆二は片手にお持ち帰りのマックを掲げ、もう一方の腕で隆臣を抱っこして、その頬にキスの雨を降らしている。
廉「いいなぁ。隆臣くんになりたい…」
1日だけでも体を入れ替える事が出来たら…
魔法のランプなる物が存在して、ひとつだけ願いが叶うなら迷わずそう願うだろう。
そんなファンタジーなど、現実にはあり得ないのに。
隆二に熱い眼差しを注いでいると、バギーに寝そべっていたりおが勢いよく跳ね上がった。
りお「あ!パピン!ミプン!にぃに♪」
りおは小さな指で自分の家族を指して、不揃いで濃い眉毛をヒクヒクさせた。
つづく