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【開催レポート!】Ctrl+W 和気をさるこう

2022.06.21 01:16

5/29(日)「Ctrl+W 和気をさるこう」でさるき案内人を務めたまなびとの中村和馬です!


当日は沢山の方々にご参加いただき、ありがとうございました!

今回はイベント当日の様子をご紹介します。



ちなみに「さるく」とは、九州地方の方言で、語源は為歩く(しありく)、つまり「あれこれしながら歩く」という意味です。


まなびとでは「暮らしが豊かになる学びを創出する」ことをミッションに、Ctrl+Mシリーズという学びの場を作ってきましたが、今までになかった ”まち” や "身体" に関わる学びを作れないかという話が企画会議で出ていました。

そんなとき、熊本在住経験のあるまなびとの中村哲也が、冗談半分に「さるこう!」と言ったのが発端。そのままイベント名にも採用されました。(笑)


みんなで "まち" をさるいて(Walk)、身の回りにあるものを "身体" で感じてあれこれ妄想を楽しむ(Wonder)、ということで今回はCtrl+”W”。


まちを一緒にさるくゲストとして、和気町のことにめちゃくちゃ詳しい和気町教育委員会の森元先生にもご参加いただきました。(ブラタモリならぬブラモリモト!)



さて、”さるく”と言っても、実際どんなことをするのか?

今回は「Feel度 Walk」という、探究的な学びの実践者として知られる市川力さんが提唱する手法を用いました。


あえて目的を持たずに、素直に好奇心を開いて、なんとなく気になったモノ・コトをひたすら写真に収めて歩く。一見無意味に思えるものでも、あれこれ妄想・仮説を語り合っていくと、新たな意味・問いが浮かんでくる。すると、また別の何かがぐるぐる気になってしょうがなくなってくる。

そんな風にして、身の回りのモノ・コトを面白がる感度(=Feel度)が自然に高まっちゃうのがFeel度 Walkです!


・・・・・


説明はこのぐらいに、大人と子供が混ざったグループに分かれたら、Let’ Saruku!


どこに行くのかは決まっていません。右へ行こうか、左へ行こうか、気になる方向へなんとなく歩き出すところから始まります。

私たちのグループは、なんとなく和気駅の反対側に向けて地下通路を歩き出しました。


すると早速、地下通路の壁をつたう管が気になる。

これは何が通ってるのだろう?どこからどこに向かっているんだろう?ちょうど駅のホームにつながってそうだな...ちょっと戻って見てみよう!

スタートしてからしばらく経ったけど、あれこれ妄想してたら全然歩みが進まない(笑)

でもFeel度 WalkはこれでOK。"少し止まる"と書いて"歩"くなのです!


その後も気になったものをひたすら集めていきます。

この標識の男性はなぜ英国紳士風なのだろう?



花がすでに散った藤棚で見つけた藤の実。はじめて見た!触ってみるとすごくフワフワしていて気持ちいい!実がついてる枝には葉っぱが全然ない...元気玉方式で、葉っぱの分のエネルギーを実の成長に注いでいるのかも!?



この道路に埋め込まれた目印はどんな意味があるのだろう?何かの方向を指してる?それともこの下に何かが埋まっているのか?



線路の脇で見つけた目印。5▶︎2と書いてあるけど、何を意味してるのだろう?

周りには5▶︎4・5・6は見つかったけど、5▶︎3はない!どこに行ったのだろうか?しかも、5▶︎6だけ、2・4・5のように直線上ではなく、線路の下を通る水路を避けるように少しズレて設置されている。この水路はそんなに大事なのだろうか?



さらにさるいていくと、さっき見つけた目印をまたもや発見!これはマンホールの方を指しているのか?周りを見渡すとこの辺はマンホールが多いような...


改めてじっくり見てみると、マンホールにも色々な種類があることに気づく。ん?こっちは「防火貯水槽」と書いてあるぞ!?まさかこの辺りの地下で貯水しているのか?謎の目印はそれを示しているのか?確かに踏切を渡ったこの辺り、どこか不自然な感じの三角地帯になっている。ここは和気駅周辺の消防の要所なのかもしれない!



その後は商店街をさるていくが、やはりマンホールが気になってしまう。グループのメンバーはみんな下を見ながら進んでいく。すると2つ並びの小さめのマンホールのペアをいくつか発見。ちょうど建物と建物の隙間の延長線上に位置しているような...このマンホールから建物の隙間へと水路が繋がっているのだろうか?



と、妄想や仮説を語りながらさるいていたら、約1時間のFeel度 Walkが終了。あっという間!



会場に戻ってからは、それぞれのグループがさるいて発見したことを、ワイワイしながら模造紙に書き出していきます。

どのグループも発見がたくさん!

絵が得意・不得意に関わらず、自分で発見したことは自然と絵で表現したくなるものですね。


発見を書き出したら、グループごとに発表!それぞれの発見を愛で合います。

共通する発見があったり、全く違う発見があったり、どのグループも面白い!


例えば、

・和気駅地下通路の出入り口にある謎のオブジェ。(複数グループが発見。森元先生によって、片上鉄道のレールの断面であることが判明!)

・片鉄ロマン街道の地面のマークについた謎の黒い点々。ガム説?

・バングラデシュ国旗のような見た目のバングラ石(バングラデシュ国旗の赤丸はやや左寄りだそうで、それと似た石を見つけたという小学生の発見。知らなかった!)

・かん◯◯(◯は"こ"とか"き"の下の曲線部分)と書いてある一部が抜け落ちた看板。かんこき?、かんきこ?(他のグループが近くに"き"の上の部分が落ちていたのを発見!(笑) "かんざき"が有力そう)

などなど、他にも書き切れないほどの面白い発見が沢山ありました!



初対面の大人も多い中、のびのびと自分の発見を語っている小学生たちの姿も印象的でした。

自分の発見をつい語りたくなっちゃうのがFeel度 Walk。



中でも、一番盛り上がったのはこんなシーン。


あるグループは、和気の大地主であった大國家の墓所を発見し、石柱には「大國家"登"墓所」「移転」といった記載が。また他の場所にもお墓を発見、こちらは「大國家"智"墓所」と書いてある。のぼる(登)さん?とも(智)さん?移転ってどういうことだろう...?

みんなが首を傾げていたとき、地元の参加者の方から森元先生へ白羽の矢が。


「教えてグーグル、いやモリモト先生!」


「OKモリモト!」


と絶妙な掛け合いで会場に笑いが起きた後、ゲストの森元先生が語りはじめます。


「登と智、それぞれ音読みするとどう読めますか?」


「と、ち?」


「あれは、いろはにほへと順に墓所があるんです」


いろはにほへ"登"、"智"りぬるを。


「お〜!!なるほど!!」


歓声が沸き起こり、場の温度がグッと高まる。

”他の誰かの発見” から ”私たちみんなの発見”に変わった瞬間でした。


ということは、和気町のどこかにスタート地点の"い"の墓地があるのか!いったいどこに?

"ち"の先はいったいどの字まであるのだろうか?

大國家ってそんなにお墓がいっぱい必要なぐらいご子孫がたくさんいるのか!?

さらなる問いもぐるぐると浮かんできます。



と、こんな感じで発見する喜びを共有しあって、イベントは終了。



発表が盛り上がりすぎて当日は割愛しましたが、一番気になる!面白い!という発見を1つ、当日お配りしたオリジナルの「さるくきろく帖」に記録します。こんな感じ。

おすすめはイラスト+俳句。俳句にすることで、自分が面白いと思ったポイントに焦点を絞ることができ、そのときに感じたことが頭の中に鮮明に残ります。



また、こんな感じにスケッチブックに発見したことをまとめる方法もあります。歩いた軌跡を振り返ってみると、新たな妄想や仮説が生まれるかもしれません。(市川力さんはこれを"知"図と呼んでいます)


ということで、面白い発見の連続にとても心がワクワクする時間になりました。


一部抜粋ですが、

・なにも気にしてなかったが、和気には面白い事が沢山あった

・普段意識してみないものを見るのは色んなことを見つけれて、同じものを見つけても違う発想が生まれたりしてとても面白かったです!!またさるきたい!

・皆でお喋りしながら、写真を撮りながら、気になるものを拾いながらゆったりとした時間を過ごせたこと。さるくことの楽しさを味わえたから。

といったご感想をいただきました。

参加者の方々のFeel度もグッと高まったのではないでしょうか。



今回さるいて自分の眼で発見したことは、教科書には載っていない自分・私たちだけの発見。

"身体" を通して "オリジナル" の発見を積み重ねていくと、まちのここそこにある日常の美しさ、面白さに気づく感性が豊かになり、様々な分野への好奇心が広がっていきます。

そんな暮らし、豊かだと思いませんか?


常に目的や効率を求められる大人こそ、苦手になっていることかもしれないですね。



それにしても、さるけばさるくほど新たな謎が生まれて、またさるきたくなる...

また次回を企画したいと思います!


ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!


さるく旅は続く...