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マヤ

『W旦那+(プラス)』 三代目妄想劇場 番外編「初めてのマック⑬」最終話

2022.06.26 14:50

隆臣「きゃはは💦チュー、もうおしまいね!パーパ」




迫りくる隆二の唇を、隆臣は指で摘んで閉じた。




隆二は口を尖らせたまま、目元はニコニコしている。




臣「はぁ、いつまでじゃれてんだか…早く帰んねぇと、廉のマック冷めるぞ」




「…プン!」




弾ける様な幼児の声がして、臣は辺りをキョロキョロと見渡した。




その視線の先にいる女性達がまた黄色い声を上げた。




臣「はて?今、りおの声がしたような…」




店の外に目を向けると、街路樹から溢れる光の中で、見覚えのある青年が臣に向かって手を振っている。




臣「…廉にそっくり」




視線を下げるとゲジ眉の愛娘が、バギーから身を乗り出して、岩ちゃん人形を振っている。




臣「りーお!?廉、いつの間に」




廉「来ちゃいましたぁ!」




臣は店を出て走ってきた。




少し遅れて気づいた隆二と隆臣も、それに続いた。




臣「そっか。りお、おいで!抱っこしよ」




りおは手にした人形ごと臣に抱き上げられた。




りお「ミプン♪しゅきぃ」




臣「わぉ❤パパのこと好きって言ってくれるの⁉️泣く…」




隆臣を抱えたまま、傍にやって来た隆二は、りおではなく臣の頭を撫でた。




隆二「良かったね🎵臣」




臣「…ん」




隆臣「パーパ、りおじゃなくて、おとーしゃんをイイコイイコゝ(*´ ˘`*)~♬︎してんの。変ね!」




隆二「ふふふ…りおもいい子いい子♡」




りお「パピンもぉ、にぃにもぉ、しゅきぃ♪」




りお「ハニは、もっとだ~いしゅきぃ❤」




臣「うん、そうだね。この際俺は二番手でもいいよ♪」




隆二「ついに妥協したか 笑」




臣「いや、いつか奴に決闘を申し出る」




隆二「はいはい 笑」




隆臣「あい✋れーん!マックよ」




廉「うわ!隆臣くんのゴチですね!ありがとう。いただきます」




隆二「冷めちゃうから中で食べたら?」




廉「いえ、やっぱ家でゆっくりいただきます」




隆臣「冷めちゃうじょ」




廉「チンすれば大丈夫」




廉「先に子供達連れて帰りますから、たまにはお二人水入らずでゆっくりお散歩してきて下さい」




臣・隆二「…」




臣「廉…なんていい子なんだ。シッターは完璧にこなすし、俺たちに気遣いまでして」




隆二「本当にいい子。じゃあお願いするね」




廉「はい」




臣「あ、トレイ片すの忘れた💦」




自分たちが座っていたマックの座席を見ると、既にクルーがトレイを片付けている。




こちらを見て笑顔で会釈した。




隆二「あ、すみません💦」




臣「ありがとう」




臣と隆二も会釈して返した。





バギーを押して先に歩き始めた廉は気を利かせているのか、ほとんど後ろを振り返らない。




たまに隆臣と、バギーの中からはりおがひょこっと後ろを振り返る。




その時の笑顔は、なんとも例えようがない。




隆臣に至っては笑顔と言うよりも、ニタニタしている。




隆二「たっくんって、あんな顔もするんだね 笑」




臣「だんだん表情豊かになるのは、大人の階段を登ってる証拠だな」




隆二「そだね」




新緑が目に眩しく、風は肌に心地よい。




隆二「臣、手ェ繋ごうか?」




臣「お、おう💦」




隆二「なにガラにもなく緊張してんの 笑」




「ほら、ギュッて握り返して」




臣「こうか?」




隆二「強すぎ。もっと優しくだよ」




臣「こう❓」




隆二「うん、いい感じ」




臣「嫁、愛してるよ」




隆二「うん、俺もだよ」




臣「嫁って言ったのに、怒んないの?」




隆二「臣の嫁なら本望だから、怒ったりしないよ。安心しな」




臣「隆二…」




臣は自分が送った隆二の薬指のリングにスっと口づけた。




臣「ちゅ…」




隆二「いきなり、そこかい」




臣「しょっぺぇ…」




隆二「ポテトのお塩がついたのかも」




臣「…来週からしばらく遠征だろ?」




隆二「寂しい?」




臣「今は平気だよ」




隆二「そらそーだ。すぐ隣にいるもん」




臣「…寂しくなったら」




「すぐ会いに行くから」




隆二「うん。待ってるよ」




臣はまた、この二人だけの貴重な時間を惜しむように、隆二のリングにくちびるをあてた。




臣「ツアーが終わったら」




「また、マック行こうな」





~完~





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