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PhotoStoryGallery:『-4℃の朝』

2018.01.16 06:00

 東京の気温が、-4℃になった朝。


 いつものように、出勤するために家を出て歩き出す。


 ふと、あなたも同じ空を遠く離れた北の地で、見ているだろうかと立ち止まり、空を見上げた。


 あなたの居る北の地は、きっともっと寒い筈。


 あなたが隣に居たならば、あなたの隣に居たならば、寒いねと言って、手を繋いで温め合うことも出来るのにとひとりごつ。


 白く氷った息が夜明け前の空に、ふわりと昇ってゆく。


 あなたの名前を、そっと唇に乗せてみる。


 胸の内が、ほっこりと温かくなる。


 距離がふたりを隔てても、まだ、大丈夫。


 あなたを思う度、あなたの名前を呼ぶ度に、心にぽっと火が灯るから。


 離れていても、あなたとの明日を疑わずにいられる今があれば。


 「行ってきます」


 北の地にいるあなたに言って、パンプスの音を響かせて、今日もまた、仕事へ向う。


 あなたとの明日の為に。



photo/文:麻美 雪