模試を活かす勉強の仕方!高校入試における模試のオススメ使い方
「英語が神奈川県一位です」
少し前の日のことです。生徒たちが返ってきた模試の結果で一喜一憂していました。中には英語が100点だった子も。よく頑張りました。みんな各々成長感が見れて何よりです。
特にこの時期の受検生には多くの模試でその実力をしっかり測ってもらいます。
神奈川県の二大模試といえば、創育さんのW合格もぎと進学工房さんの神奈川全県模試が有名ですね。活用させていただいております。
神奈川県の場合、昨年から生徒個々人に入試問題の答案が返されていることもあって、各テスト会社さんが持っているデータはかなり正確なものです。塾や個人としては有り難いことですね。
模試の使い方としては、個人的には「模試は同じ模試を通年で使う」ことを推奨しています。
月ごとに実施していけば、課題発見や成長の進捗も見やすいですしね。単発で使うよりも、わかることは格段に増えるはずです。
もちろん、一つの模試を通して使いながら、プラスアルファで他の模試を受けるのもアリでしょう。
「点数だけ見て一喜一憂しちゃいけないよ」
毎回模試の返却では講師から生徒へそんな言葉が贈られます。点数に注目する気持ちはわかりますが、大切なことは他にもある。今日はそこんとこ記しておきたいと思います。
模試の見方を極めよう!注目ポイント①は点数・判定・偏差値
そうは言っても気になるのは点数とか合否判定ですよね。仕方ない。まずはここから見ていきましょう。ひとしきり確認をして、心を落ち着かせたら次に行きます。
中1や中2の合否判定はまだまだ参考値の域を出ませんが、中3の特に冬の時期の判定はやはりシビアに見なくてはなりません。志望校選びの最終決定を下すのも、やはり模試の結果を踏まえてのことが多いですからね。
偏差値の欄も見てみましょう。
偏差値とは、集団の中での自分の位置を示す値のこと。簡単に言えば、平均点を取った子は偏差値50です。40点が平均点のテストで40点を取った子は偏差値50、70点が平均のテストで70点を取った生徒は偏差値50になります。
偏差値で注目してほしいのは過去からの上がり幅、下がり幅です。過去の自分と比べてどういった推移で現在地にいるか。範囲や難易度も変化する模試の中で、ここがだんだんと伸びてきている場合は、日々の勉強が頑張れている証拠です。土台ができているからこそ、そこからのさらなる成長も見込めます。逆に、上下している場合や下がっている場合は、早急にその原因を突き止めて、対処することが重要です。詳しくは下記で書きますね。
「合否判定の数値を見て志望校に合格するかどうか」を判定するのは、その生徒の特性や勉強の仕方を見ていないとなんとも言えないと思います。AくんとBくんが同じ判定をもらったとしても、コツコツやってそこに至ったAくんと、たまたまでそこに至ったBくんでは、今後の進捗度合いが違ってきますからね。
何だかんだ模試の使い方を熟知しているのは塾の先生だと思います。もしも困ったらお近くの塾に相談に行ってみましょう。力になってくれるはずです。
模試の見方を極めよう!注目ポイント②はどこが出来ててどこが出来ていないか
さぁ、ここから大事なところです。
模試によって多少の仕様の変更はあれど、出来ている所・出来ていない所を示す図や自分が書いた答案のゾーンがあるかと思います。
まずは「間違ったところ」に注目してみましょう。その間違いを大きく2つに分けます。「わからなくて間違えた」問題と「わかったけど間違えた」問題の2つです。
「わからなくて間違えた」問題は、準備不足です。どんな準備が足りなかったのか、突き詰めて考えてみましょう。
公式?単語の意味?語句の暗記?知識はあったけど使い方がわからなかった?それらを細かく分析して、似たような問題が次に出た時には正解できるように準備をする。これが「勉強する」ということです。
「わかったけど間違えた」は俗にいう凡ミスやケアレスミスというやつです。ただし、軽視してはいけません。「できるはずだった問題を間違えた」というのはとても危険なことです。
これも早急になぜそれが起こったのかを突き止める必要があります。精神的動揺?時間配分?途中式書き漏れ?問題文読み違い?勘違い?その課題が発見できないと次も同じことやる確率は高まります。逆に課題が発見できれば、解決策は見つかるものです。
どちらにおいても大切なのは、「なぜ?」を「なぜ?」のままにしておかないということです。そこに成長のチャンスが隠されています。
『図形の単元ができなかった』→『図形の公式に誤りがあった』→『三平方の定理の使い方も微妙だった』→『補助線ってここに引くのか!』→解法を見て再度その問題を解き直し→わからなければ人に聞く→理解したらもう一度解き直し→◆一人でできるようになったら似たような形式の問題を演習→『あ、こっち問題だと補助線はここ引くのか!』→『お、ここでは違う解法があるな。これも頭の中に仕入れておこう』→様々な問題演習→『わかってきたぞ!図形!』→図形の単元ができるように!というプロセスです。
◆の部分で「なかなか一人でできない」という問題は、やさしめの類題で演習をして、知識と解法を頭に入れてから再度もとの問題にチャレンジをしてもいいでしょう。
また、◆で「どうしても一人で解けそうにない」という問題は、入試においては、目標点数に応じて飛ばすのもいいでしょう。合否を考えれば、100点満点を取らなくていいのが入試です。
ただ、入試に向けてでも、向けてではなくても、このプロセスにいかに貪欲になれるかが、勉強においていかに成長できるかのパラメーターです。
どんなレベルでもこういった「課題」は見つかります。そこに立ち向かっていく強さを持つことが、さらなる高みへ行くための鍵になります。
「お、また課題見つけたぜ!これでまた一つ強くなれる」なんて格闘ゲームの主人公のように、「課題発見」→「克服・改善」のプロセスを繰り返しましょう。そのために模試は自分の課題が把握できる重要なアイテムです。
最後に「正解している」問題にも注目しましょう。ひとしきり自分を褒めた後、よーく確認してみます。「本当にわかってて正解したかどうか」をです。
マークシート形式になった神奈川県の公立高校入試では(まぁ、その前だってあったけど)、偶然正解するということも結構あり得ます。模試も同様です。それが入試本番でできればいいのですが、勘で当たったものを再現できるかというと、なかなかそううまくもいきません。
怪しい問題は、どうしてその答えを選んだかどうか説明してみましょう。説明できれば、本番も同様に正解できる確率が高いです。逆に、説明ができなければ危険です。ちょっとでも怪しさを感じたら、改めて内容を確認するようにしましょうね。
模試の活用法まとめ
合格判定や点数はもちろん大事。
でも、成長のためのキーアイテムとして活用することがもっと大事。
これが私のオススメの模試の使い方です。
例えばあなたが入試前にいくら九九をやってもそこに大きな成長は見込めないでしょう。成長が最も見込めるのは、自分ができるかできないかギリギリの問題にチャレンジしているときです。そのギリギリを見つけるのに、模試はとっても役に立つのです。
「課題発見」→「克服・改善」のプロセスは、それこそ勉強だけではなくて将来お仕事でも活用できる素敵なプロセスです。勉強しながら、そのプロセスを身につけてしまいましょう。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
どれもこれも素敵な模試があるおかげですね。